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2019/05/21

genre : ニュース, 政治

注意すべき場所として身内の会合や酒席

 発言をコントロールするための対策(2)としては「支持者や身内と使っている『危ない表現』を確認」。前述した塚田氏の「忖度します」発言などは、アドバイスにある「日頃の言葉遣いを、第三者にチェックしてもらいましょう」をやっていれば避けられたかもしれない。注意すべき場所として身内の会合や酒席などをあげ、盛り上がる「トークテーマ」や雰囲気に注意を促している。

 桜田氏の辞任前にこのマニュアルができていたら、きっと書面を読み続けるだけの大臣になり、あの面白さは印象に残らなかったかもしれない。対策(3)では「『弱者』や『被害者』に触れる際は一層の配慮を」と、弱者や被害者目線を忘れないよう呼び掛けている。

桜田義孝前五輪相 ©文藝春秋

マニュアルを作成すれば「やった感」があるが……

「わざわざマニュアル化するものか」という意見はもっともなのだが、マニュアルにしなければ気がつかないこともある。一方、マニュアルは作って配布が終われば「やった感」があり、そこで終わってしまいがちだ。徹底するには、その後のフォローが必要になる。苦手な質問や反論された時の対応、失言しないための話法のバリエーションなど、まだまだ取り組めることはあるだろう。

 そもそも、失言する政治家は言っていいことと悪いことの判断がつかない、言っていいラインが決まっていないのが問題だという意見も聞く。そこは政治家としての「見識」と「資質」の問題である。もう議員になっちゃった先生たちには資質があるというのが大前提であり、マニュアルもそこまで付き合っていられない。

 失言を失言として認識できなければマニュアルがあっても意味はないし、自身の失言リスクを客観視していなければマニュアルを読む気は起きないだろう。

 そこを少しでもカバーするなら、第三者にチェックしてもらいながら失言の「ネガティブリスト」を作成するのがいいだろう。ネガティブリストとは、「言ってはいけないこと」のリストだ。リストがどれだけ長くなるのか、政治家の先生たちには、そこで自分の失言リスクと資質を振り返ってもらうしかないだろう。

 できれば党の垣根を越えて、マニュアル配布をお願いしたいところだ。

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