昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/06/11

「餃子」を前に、重大な選択を迫られるリアルな視点

 SNSでの反響も大きく、視聴率もジリジリと上げてきている『わた定』。その大きな理由のひとつが、吉高由里子の柔らかく芯の通った演技なのは間違いないですが、もうひとつ見逃せないのが、脚本(奥寺佐渡子、清水友佳子)で描かれるリアルな視点。

 特に結衣を取り巻く元・婚約者の種田晃太郎(向井理)と、現・婚約者の諏訪巧(中丸雄一)の対比には「わかる!」との声も多数挙がっています。

主人公の元婚約者役を演じている向井理 ©文藝春秋

 髪はぼさぼさ、服は適当。でも、仕事では最高に頼りになる隠れイケメン上司の晃太郎と、大手IT企業に勤めながら、残業もなく、同棲する部屋で料理を作って結衣の帰りを待つ巧。

 一度、激務で生死の境をさまよった結衣が選んだ巧ですが、結婚を前に小さな価値観の相違も出てきました。

 第8話で焼きたての餃子を前に「ラー油があった方が美味しいよね」と、わざわざ外に買いに出る巧と、「……餃子は熱いうちに食べたいのに」と黙って皿を見つめる結衣。巧の母親が専業主婦だったことに対し「母さん、働かなくても充分暮らせたけどね」とサックリ言い放つ巧に「仕事ってお金のためだけにするものじゃない」と違和感を覚える結衣……ああ、あるあるこういう小さなすれ違い。無視すると最後に大きな痛手を負うヤツ。

©iStock.com

 と、リアルなアラサー女子像を体現する女優として、新たなステージに躍り出た吉高由里子演じる結衣が、最終回に向かってどんな選択をするのか楽しみにしつつ、やっぱり餃子は焼き立てを酢醤油+ラー油で食べるのが最高、と思うのでした。

 結婚相手との価値観の合致って大事よ、山ちゃんと蒼井優も言ってたけど。