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「ヒプノシスマイク」でも大人気!「X-MEN」最新作のビースト役:CV・浅沼晋太郎が語る映画愛

 2000年にシリーズ第1作が公開されて以来、世界中で愛されてきた映画「X-MEN」シリーズ。シリーズ最新作にして最終章『X-MEN:ダーク・フェニックス』(6月21日公開)を特集した『週刊文春シネマ特別号 「X-MEN」シリーズ 最強ガイドブック』では、日本語吹替版を担当した人気声優・浅沼晋太郎さんのインタビュー&グラビアを4ページにわたって掲載している。シリーズ第5作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)からビースト(ハンク・マッコイ)役の吹き替えを担当してきた浅沼さんが、幼少期からの「アメコミ愛」、そして「映画愛」を熱く語った。

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——浅沼さんは以前からマーベル作品はお好きだったんですか?

©杉山拓也/文藝春秋
©杉山拓也/文藝春秋

浅沼 そうですね。小さい頃から『スパイダーマン』は好きでした。すごく印象に残っているのは、高校のときに『ストリートファイターⅡ』の爆発的なブームが起きて、ゲームセンターにみんな集まってたんです。格闘ゲームがあまり得意じゃなかった僕は、そこにあった『キャプテン・アメリカ&ジ・アベンジャーズ』という横スクロールのゲームをやっていたんですよ。キャプテン・アメリカの他にはアイアンマンとヴィジョンとホークアイが出ていたと思います。当時はよくわかっていなかったけど、大学生になってからアメコミに触れるようになり、『アベンジャーズ』の存在も知って、「あっ、これか!」と。コミックのほうにはX-MENも登場していたんですよね。

——アメコミではマーベルだけでなくDCコミックスも読んでいた?

浅沼 DCのものも読んではいましたが、僕はマーベルのほうが好みでした。あくまで個人的な意見ですが、『スーパーマン』をはじめタイツを穿いたヒーローがどうも苦手で(笑)。あと、僕は昔から徒党を組むヒーローのほうが好きだったんですよ。たとえば子どもの頃に観ていた『仮面ライダー』でも、先輩ライダーが出てくる回にはすごく興奮したし、『サイボーグ009』もチームものとして好きでした。スパイアクションなら『007』より圧倒的に『スパイ大作戦』のほうが、という感じで。だから別々の特殊能力をもつ人たちがチームを組んで戦う『X-MEN』は、僕にとってたまらないものがありました。

——最初に『ファースト・ジェネレーション』のハンク役のオファーを受けたときはどう思いましたか?

浅沼 すごく嬉しかったですね。昔からよく知るキャラクターに声を当てることができるなんて、こんなしあわせなことはないって。実は僕が吹替をするキャラクターって、オタク気質な人物像が多いんですよ(笑)。そういう意味では『X-MEN』のハンクは、オタクを極めたキャラクターと言ってもいいですよね。

©杉山拓也/文藝春秋
©杉山拓也/文藝春秋

『ファースト・ジェネレーション』のときは、青いモフモフの姿になったときに声も獣のように変化していたんです。吹替ではその部分をエフェクトなしで自分で声を低くして演じていたんですが、次の『フューチャー&パスト』では変身してからもほぼニコラス・ホルトの声のままだったんですよ。だから僕も特に声を変えずに演じて。さらに次の『アポカリプス』のときはちょっとだけ変わるという演出で(笑)。ここはオリジナルで意図されているところなので、なるべくそれに沿うように演じようと心がけました。

 

——浅沼さんはもともとは映画監督志望だったとのことですが、子どもの頃から映画好きだったんですか?

浅沼 そうなんです。僕は岩手の盛岡で生まれ育ったんですけど、子どもの頃、民放が2局しか映らなかったこともあって、アニメはほとんど観ていなかったんです。『ドラえもん』とか『サザエさん』、あと夕方に再放送していた『ルパン三世』くらいかな。むしろ、当時は「水曜ロードショー」とか「金曜ロードショー」とかで毎日のように映画を放映していたので、熱心に観ていました。

——どんな映画が好きでしたか?

浅沼 いまは地上波のTVでホラー映画をやらなくなっちゃいましたけど、あの頃は土日の真っ昼間とかに平気で流していて、なかでも『スクワーム』(76)というミミズやゴカイが大量発生して人を襲うホラーが強烈に記憶に残っています。あとはジャッキー・チェンのアクション映画ですね。僕はジャッキーの作品とB級C級映画に育てられたようなもんです(笑)。世代的にはちょうどおニャン子クラブの全盛期だったはずなんですが、「夕やけニャンニャン」も盛岡では放送されていなかったので、そういうアイドルにハマることもなく、憧れの対象はもっぱらハリウッド女優でしたね。生意気にも「ウィノナ・ライダーが好き」とか言ってましたから。

「アメコミとB級映画が僕を育ててくれたと語る」浅沼さん。近未来的な空間のなかで撮り下ろしたグラビア撮影では、大人のかっこよさの中に、ふと少年のイノセントな眼差しがのぞく。在りし日にスクリーンに夢中になった少年ような瞳が。「X-MEN」シリーズのコア話からマーベル映画の未来まで、つづくディープな映画インタビューとスペシャルグラビアは『週刊文春シネマ特別号 「X-MEN」シリーズ 最強ガイドブック』にて。

浅沼晋太郎(あさぬま・しんたろう)/1976年、岩手県生まれ。脚本家・演出家・俳優・コピーライターとして活動。2006年『ZEGAPAIN-ゼーガペイン-』で声優デビュー。『四畳半神話大系』『ダイヤのA』などの話題作に多数参加。近年「ヒプノシスマイク」での活躍でも大きな注目を集める。