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2019/06/27

「八紘一宇」は「世界を一つの家とする」という意味で、太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するための標語として使われていたもの。元は「日本書紀」に記載されている神武天皇の即位建都の詔の一節に由来しており、本来は国内の統合を意味する言葉だったが、昭和前期の頃から対外政策の基本理念として用いられるようになった。

参院予算委で質問する際、八紘一宇について発言した三原じゅん子氏(2015年) ©共同通信社

 この発言は問題視されたが、三原氏は「私とて、この言葉が戦前に国威発揚のために使われたことは存じております」とした上で、戦争の原体験を持つ政治家はそのような意味で捉えたが、「私たちにはそうした体験はありません。だからこそ、この言葉が持つ本来の意味を評価する必要があると思います」と反論してみせた(東洋経済オンライン 2015年4月5日)。自分は戦争を知らないから、戦前のスローガンを再評価するという考え方は「教育勅語」をめぐる与党の政治家の発言とよく似た構図だ。

「八紘一宇」について「『日本人は永遠に言葉にとらわれつづけるべきだ』と考えるか、あるいは『戦争を乗り越えて、新しい未来を作る』と考えるかによって分かれる」と語っているが、新しい未来を作るならわざわざ戦前のスローガンを持ち出す必要はあるまい。

三原じゅん子 自民党・参院議員
「神武天皇の建国のそのときからの歴史というもの、全てを受け入れた憲法を作りたい」

ハフポスト日本版 2016年7月10日

 2016年7月の参院選でトップ当選した三原氏だが、選挙特番の中で上のようにコメント。さらに司会の池上彰氏に「神武天皇は実在の人物だったという認識なんでしょうか?」と問われて「私はそういう風に思ってもいいのではないかと思っています」と答えた。

 初代天皇とされる神武天皇は神話的な人物であり、史実を伝えるものはほとんどない。池上氏に指摘された三原氏だが、「そういう考えであってもいいと思います」と言い張った。

「(演説が)うまい。むちゃくちゃ感情に訴える」と評される一方で

三原じゅん子 自民党・参院議員
「がん撲滅は私のライフワークだ」

産経ニュース 2015年2月23日

 三原氏は2010年に参院選で当選した。子宮頸がんを患った経験から、安心してがん治療ができる社会を構築するため、自ら政治家を志願したのだという。ほかにも児童虐待防止、リベンジポルノ被害防止などを訴えている。

初登院する自民党の三原じゅん子氏(2010年)©共同通信社

 元女優ということもあり、演説は抜群に上手い。2014年12月の衆院選では各地で応援弁士として活躍。竹下亘前総務会長(当時は復興相)は「三原さんの活躍で自民党があちこちで救われている姿を目の当たりにしている」と語り、茂木敏充経済再生担当相(当時は選対委員長)も「(演説が)うまい。むちゃくちゃ感情に訴える」と絶賛していた。ただし、産経新聞の同記事によると、党内での評判は「彼女は演技者。他人に書いてもらったセリフを話しているだけではないか」というものだった。