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「仕事がない日は早起きして1日中ドラクエ」

 2012年には、『GTO』(フジテレビ)などドラマにあいついで出演するとともに、トーク番組『A-Studio』(TBS)のアシスタントも務める。また、同年公開の映画初出演にして初主演作『FASHION STORY~MODEL~』では、駆け出しの雑誌専属モデルという等身大の役を演じた。

 ちょうどこの年、オンラインゲーム『ドラゴンクエストX』がリリースされている。すでに多忙をきわめていたはずの本田だが、『ドラクエX』を買ってから1年くらいは、仕事が終わって帰宅したらゲームをやり、仕事のない日も早起きして1日中プレイするという生活を送っていたとか。《オンラインゲームなので、チャットという会話できる機能があって、現実で誰にも会わなかった日でも、ゲームの中の世界でコミュニケーションが取れるんです。私は仕事柄、生活が不規則ですけど、皆さんはだいたい生活リズムが決まっているので、この時間になると誰々さんが現れるとかがわかって、つながってる感がするんです》とは、『ドラクエX』で知り合った男女2人のシェアハウス生活を描いたドラマ『ゆうべはお楽しみでしたね』(MBS・TBS系、2019年)出演時の発言だ(※2)。

ゲーム実況を中心としたYouTubeチャンネル「ほんだのばいく」は登録者数が110万人を超える ©getty

 ゲームやマンガが趣味だということは、ブレイクするにしたがい認知されるようになった。2013年に“本田翼1st-Last写真本”と銘打って刊行された『ほんだらけ 本田本』(SDP)では、布団の上でマンガを読みふけったり、『鋼の錬金術師』のホークアイ中尉など好きなマンガのキャラクターに扮したりして写真に収まっている。なお、『鋼の錬金術師』はのち2017年に実写映画化されたが、このとき本田は主人公エドワードの幼馴染のウィンリィを演じた。

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 2013年放送のドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(TBS)で、木村拓哉演じるアンドロイドを修理するアンドロイドを演じるなど、本田には非現実的な役がよく似合う。一方で、前出の『ラジエーションハウス』では放射線科医、『空母いぶき』ではネットニュース記者と、それぞれ深刻な事態に直面して自らの使命に突き動かされる女性を演じた。非現実的なキャラクターも、現実に立ち向かう人物も、いずれもこなしてしまうことこそ、本田が演じ手として重宝される理由なのかもしれない。『ラジエーションハウス』出演に際しては、演じた放射線科医について《ひとつのことに集中すると周りが見えなくなる感じは、ちょっと私に似ているかも》と語っている(※3)。