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 日本人特有の「よそ者や新しいものを受け付けない」キャラクターがあるとの議論は置いておいて、その背景には既存の権利者、つまりこの場合は既存の旅館、ホテルあるいはマンション住民が自分たちの権利を守りたがっていることがある。既得権益者は自分たちの領域に入ってくるものを排除することで自分たちの権利を守ろうとする。この考え自体は必ずしもすべてが誤ったものではないが、ともすると既得権益を守ることだけが目的となり、社会全体や時代の流れとの調和を妨げるものともなりうる。京都市や軽井沢町の規制が強いのも既存のホテル旅館や別荘所有者のような「声の大きい」住民が、行政に圧力をかけることで、地元住民に忖度、配慮しなければならなくなる実態を如実に表しているものともいえるだろう。

 こうして民泊を排除、封じ込めることに成功したホテル旅館やマンション管理組合だが、次なる脅威がすでに忍び寄っていることに気づいているだろうか。

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多くのマンションが「民泊」という利益を生む選択肢を失っている

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 マンションは累計戸数がすでに640万戸を超え、すでに日本人の一般的な居住形態になっているが、その形態が誕生して早60年。マンションは建物の老朽化が進み、2020年には216万戸が築30年以上を迎える。相続した子供や孫にとってそのまま住み続けることができればよいが、多くは賃貸や売却の道を選ぶことが予想される。マンションを自分が住むためではなく活用していかなければならない時代にあって、現在の多くのマンションは民泊という収益を生む選択肢をひとつ失っている。今後相続の大量発生が確実である首都圏などではマンション空き住戸の活用に悩む区分所有者や管理費、修繕維持積立金の滞納に怯える管理組合の数が急増することだろう。