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40歳、ニート、独身、603試合連続応援……ホークスに人生を捧げた男の生き様

文春野球コラム ペナントレース2019

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お金のやりくりはどうしているのか

ノ「全試合回る為には結構な額がかかるはず、年間いくらかかって、どうやってやりくりしてたんですか?」

団「いくらかかるか計算したことない! 計算して額見てしまったら行けんくなるやろ~」

 笑いながらそう話してくれた団長。団長らしい答え!

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団「若いころは、おじいちゃんおばあちゃんがかわいい孫のやりたい事やけんと言ってくれてお小遣いもらったりしてたけど、いつまでもそういうわけにはいかんけん、今ではオフシーズンに日雇いのバイトしてお金ためとうとよ。移動手段もなるべくお金かからんように、夜行バスで移動したり、知り合いの家に泊めさせてもらったりしとるけど、体力的にはめちゃくちゃしんどいよね~年々きつくなってる!」

 日雇いで? 夜行バスで? 40歳でその生活はそれはキツイはず! 想像しただけでも腰が痛くなる~。

ノ「何でそこまで人生捧げてまでホークスを応援し続けるんですか?」

団「ホークスが好きやけん!」

 シンプルーーー!! 実にシンプルな答え! 勝手にドラマティックな答えが返って来ると構えちゃってました。すいません!

ノ「じゃあ団長の今後の夢や目標は?」

団「特にない」

 えーー? こんだけ長いこと応援団やって来られた団長の夢! めちゃくちゃ前のめりで聞いたのに、無いんですか?

団「今を一生懸命生きる事しか考えとらんね。ただホークスが好きで、ホークスに勝って欲しくて、お客さんにも楽しんでもらいたいけん、僕はホークスを応援し続けるだけ。もちろん周りの人の助けがあってやれてるから感謝の気持ちは忘れずに」

 ただホークスが好きなだけ。本当にそういう事なんだなぁと思いました。好きに理由なんていらないし、そこまで好きで魂燃やせるものがあるというのはかっこいい! 我々なんかは、先の事先の事を考えすぎて行動が遅くなったりすることもあるけど、団長は目の前にある事に一生懸命ぶつかっていき、やりたい事があればすぐに行動に移す。とってもエネルギッシュな男でした。

 団長のホークスに対する愛と、行動力には感銘を受ける事ばかりでした。だからこそ、周りの人も会いたいと思うし、協力してあげたいと思うのだと思います。福岡、いや全国一のホークスのぼせ吉原秀貴さん!

団長が選ぶ印象に残ってる試合

 最後に、25年間応援団として色んな試合を見て来た団長に「団長が選ぶ印象に残ってる試合!」を聞いてみました。

団「難しすぎやろ! 1999年のホークス初優勝の試合もいいしなぁ。2006年日ハムとのプレーオフで斉藤和巳投手が打たれて呆然としてショックすぎた試合もしっかり覚えてるし、2014年のオリックスとのシーズン最終戦でマッチがサヨナラヒットで優勝決めた試合もいいしな~」

 確かにどの試合もいいです! そんな中、団長がベスト試合に選んでくれたのは?!

団「決めた! 2014年3月1日のホークス対楽天のオープン戦!」

 え? 何で? 何か劇的な試合だったっけ?

団「その試合ももちろん応援して、ホークスが勝った! その試合の後、友人に誘われて、バタバタ大阪に行って、サッカーのガンバ大阪と浦和レッズの試合で、レッズの応援をした。そしたらレッズも試合に勝ったんよ! 応援団のダブルヘッダーで、見事応援したチームが1日で2チーム勝ったけん! それが僕のベスト試合やね!」

 最後まで団長らしい答えが返ってきました。そして、この吉原秀貴というお方は、どこまでも応援団なんだなぁと認識させられました。

「僕はホークスを応援し続けるだけ」 ©ノボせもん

 普段はお茶目な団長ですが応援してる時の背中めっちゃかっこいいです! しかし、最近では応援団をやる人が年々減ってきています。少しでも応援団に興味があるという方、もしくは、40歳独身の熱い男吉原さんの奥さん候補に我こそはという独身女性! 自薦他薦は問いませんのでどちらもお待ちしております。

ノボせもんのホークス漫才

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