ファンが送って来たキャラクターが作中に登場
――“第3次ウルトラマンブーム”の中、人気を博したかたおか徹治作品。連載中のファンレターで印象に残っているものがあったら教えてください。
かたおか 『ウルトラマン80』(’80年)の後に『アンドロメロス』(’82年)が始まって、「別冊コロコロコミック」(小学館)を買っている男の子のお姉さんからファンレターが来ました。「こういうキャラクターを考えたので、使ってみてください」と、絵が同封されていたんです。それをしっかり使わせてもらいました。可愛い女の子キャラクターのイメルダが、その娘のデザインそのままです。これが一番最後の作品(『アンドロマルスの戦い』)なんですよ。
――全シリーズ中で一番想い入れのある作品はどれでしょう?
かたおか 1巻に収録されている『決闘ウルトラ兄弟』ですね。1作目ということもありますし。一番純な気持ちというと変ですけど、それだけで描けましたし、当時の持てる力を出し切ったというか。いや、この作品はアシスタントがいないと描けないですよ。大体常時3、4人ぐらいの方に手伝っていただいていました。
――最後に『ウルトラ兄弟物語』で人生を変えられた子供たち、今のシニア世代にメッセージをお願いします。
かたおか 数十年ぶりに復刻して、改めて『ウルトラ兄弟物語』自体をまたもう一度読み返して、この仕事に携わらせてもらった編集者のみなさんに感謝したいです。この作品のお陰で、色々なところで仕事が増えたこともありますし、自分でやり切ったみたいな自負心もあります。自分にとって一番大事な作品であることに間違いはないと思いますね。