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ウルトラマンで『スター・ウォーズ』や『荒野の七人』をやりたかった

――ウルトラマン(ウルトラ戦士)たちは飛べるはずなのに、戦闘艇に乗って戦う姿が画期的でした。

かたおか あれはもう完全に「ウルトラで『スター・ウォーズ』(’78年~)をやろう」ということで。舞台をそう設定しておいて、そこに映画の『荒野の七人』(’61年)の要素などを持ち込んで作りました。スペースサタンキングはダース・ベイダーがモデルです。ルーク・スカイウォーカーの父親という設定は当時まだ分かっていなかったので、純粋な悪役になっちゃいましたけど(笑)。
 1~2巻で登場するファイティングジャックは、人の顔が描きたかったから登場させました。全部ウルトラ系の顔ばっかりで、人間の顔に飢えていたんです。

あくまでも格闘家として宇宙最強の男、ゾフィーとの戦いを望むファイティングジャッ
ク。ファンとしては彼のフィギュア化も熱望したいところだろう。 ©かたおか徹治/文藝春秋 ©円谷プロ

――『ウルトラ兄弟物語』では、セブンとゾフィーがメインキャラクター扱いです。テレビ版では「弱い」ことをネタにされがちなゾフィーですが……。

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かたおか それも平山さんの好みです。ゾフィーは隊長だし、ウルトラ兄弟の長男だから。それと当時「パワー的にはセブンがすごいだろう」という見解があったんです。平山さんは映画が好きでしょうがなくて、『ミラーマン』(’71年)を学年誌でやっている頃から「映画に例えれば……」というやり取りばかりでした。僕のキャッチコピーの “燃える若獅子”も、最初にやろうと言い出したのも平山さんです。あと、映像の中にも反映されていったウルトラ兄弟のマントは、さいとう・たかを先生の『影狩り』(’69年)の影響を受けているかもしれません。

『ウルトラ兄弟物語』のセブンはオリジナル武器の手槍の使い手。正々堂々と戦う敵には手槍、卑怯な敵には光線技で対処するセブンの“騎士道精神”が魅力的だった。

『ウルトラ兄弟物語』に登場するセブン。©かたおか徹治/文藝春秋 ©円谷プロ

――あれは木製なのでしょうか? また、あの手槍の名前は? 酔っぱらったウルトラマンのコップの材質も教えてほしいです。

かたおか 木材というよりは鉱物だと思うんですよね。セブンの槍の名前はスピアだと弱い感じがするので、グレートブレードとか……。酔っぱらった(帰ってきた)ウルトラマンの持っているコップは陶器のつもりで描いたんです。中身は日本酒でも醸造酒でもなく、蒸留酒ですね。

 

――先生が一番お好きなウルトラ戦士は?

かたおか先生に、新シリーズ『ウルトラマンタイガ』のラフスケッチも描いていただいた © かたおか徹治 ©円谷プロ

かたおか やっぱりセブンかな? カッコいいんですけど描くのは大変なんですよね。特に肩から胸にかけてのプロテクターが(笑)。タロウも好きですね。フォルムは一番好きかもしれません。 全体のバランスもいいですし。だから今度のウルトラマンタイガは「ついに来たか!」という感じがします(笑)。