平成元年、深夜番組のバンドオーディションコーナーからスターになった元「たま」の石川浩司さんは、その後も驚くような縁から活躍の場を広げている。2回目は出会いの縁やファンとの近い距離、そして毎年2月に行っているタイ旅行についてなどのお話を伺った。(全3回の2回目/続きを読む)。

石川浩司さん ©︎文藝春秋

回らないお寿司屋さんに入ったら、なぜか「裸の大将」山下清役をゲット?!

――石川さんは、ときどき声優業もやってらっしゃいますね。映画『窓ぎわのトットちゃん』(2023年)とか。あと俳優業も。

石川浩司(以下、石川) それはもう、オファーをいただければ。

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――俳優としては、大林宣彦監督の映画にも出ていらっしゃいますよね。きっかけは?

石川 それはね、西荻窪で普段は滅多に入ることのない「回らない寿司屋」に入ったんですよ、妻が行きたいっていうから。で、カウンターに座ったら、たまたま『あまちゃん』の音楽とかで知られてるミュージシャンの大友良英さんがいて。大友さんとは以前「パスカルズ」で共演したことがあったから「あれ、石川くんじゃない?」って声をかけてくださって。

 それで大友さんと僕が話をしてたら、後ろの座敷から「あら、大友さん?」ってさらに声かけてくる人がいて。「大友さん、父の作品の音楽をやっていただきましたっけ? 私の父、大林宣彦っていうんですけど」って。その人が大林監督の娘さんで、文筆家や映像作家の大林千茱萸(ちぐみ)さんだったんです。

――西荻窪の回らないお寿司屋さんにたまたま3人が居合わせた? そんな偶然が?

石川 あるんだよね~。それがきっかけで「父の撮る映画で、山下清役を探してるんですけど、石川さんどうですか?」って。

――それは「たま」でランニング姿だったから……?

石川浩司が「たまのランニング」になったワケ

石川 そう。でも、僕は裸の大将に寄せようと意図してあの格好をしていたんじゃなくて、ラクだからあの格好になったんだけどね。いちいち衣装を考えなくていいし、動き回ってパーカッションを叩くから汗をかいちゃうの。

 アマチュアのときは、いつもライブの途中から上半身裸になって演奏してたんだけど「裸っていうのもなあ」と考えて「じゃあランニングシャツでいいや」「半ズボンでいいや」ってふうになったんだよね。それで頭を剃ったら「あ、それって山下清」って言われたことがあって「あ、そうか」って気づいた。

石川さんの手にかかれば、こんなおもちゃも楽器として活躍する ©︎文藝春秋

――頭は今もいつも坊主刈りなんですか?

石川 2週間に1回床屋に行ってます。今日もさっき行ってきたんで一番短いですね。今は2ミリ。昔は家でやってもらってたんだけど、お風呂場とかでバリカンで剃っても片付けるのが大変だから、それなら1000円カットでいいか、って。

 22~23歳くらいからずっと坊主頭。それまではむしろ長髪気味だった。でも髪の毛が伸びてると整えなきゃいけないからね。とにかくグータラで面倒臭がりなんです。坊主なら、お風呂上がりもバスタオルでサッと一周すればもう乾きますから……まあ、そんなきっかけで、山下清役で映画に出演することになったんです。