10月14日、韓国の人気女性アイドルグループ「f(X)」の元メンバー、ソルリ(25)が自宅で亡くなっているのが発見された。当日は仕事が入っていたが、前日の夕方以降、連絡がとれないことを心配したマネジャーが自宅を訪ねて分かったという。
ソルリの訃報後、韓国ではSNSユーザーによる「悪質リプライ(悪質な書き込み)」と「女性嫌悪(ミソジニー)」への怒りが広がっている。
韓国紙各紙が取り上げた「悪質リプライ」問題
各紙も「悪質リプライに苦しんだソルリへの追悼文に……お前も死にたいか? また悪質リプライ」(朝鮮日報、10月16日)「ソルリ追悼文にも悪質な書き込み……悪質リプライは顔のない殺人者」(中央日報、同)などと取り上げた。
ソルリは11歳だった2005年、大河ドラマ『薯童謡』でデビューした。09年には、大手プロダクション「SMエンタテインメント」から5人組の女性アイドルグループ「f(X)」でK-POP界へ登場。瞬く間にスターダムに駆け上った。しかし、14年には活動をいったん休止。15年に「f(X)」を脱退した後は、歌手兼俳優として活躍の場を広げていた。その矢先の悲報だった。エンタメ業界に詳しい韓国紙記者は言う。
「まさにアイドルといわれた愛くるしい容貌と天真爛漫なイメージで人気を得ましたが、その自由奔放さが時に誤解を受けて物議を醸し、悪質な書き込みに酷く悩まされていたと伝えられています。14年に活動をいったん休止したのも原因は悪質な書き込みといわれていて、その頃からかどうかはわかりませんが、最近はうつ病を患っていたともいわれていました」
年上ヒップホップ歌手との交際でバッシングの標的に
活動を休止したきっかけは当時、浮上した熱愛説。交際を認める過程で、悪質な書き込みが乱舞した。相手は、14歳年上のヒップホップ歌手だったが、発覚当初、交際を否定したソルリの態度を咎めたり、14歳年上の男性との交際が適切ではないとあげつらったり、(ソルリと相手が)活動のジャンルが異なることを指摘するなど「あきれるほどいわれのない、口にするのもおぞましい誹謗中傷が殺到した」(前出記者)という。
この時の心境をソルリは、「どこにでもカメラがついているみたいに感じられて、一時期は路地裏ばかりを歩いていた」と自身が司会を務めていたテレビ番組『悪質リプライの夜』(JTBC)で明かし、過去には対人恐怖症とパニック障害も患ったと告白していた。同番組はタイトルどおり、悪質なリプライを題材に、これとどう向き合うかについて考える内容だった。