文春オンライン

2019/07/04

「シークレットサービスを管轄する国土安全保障省も『大統領の安全が十分確保できない』と、強く反対していた。それなのに文在寅は、しつこく食い下がって『なんとか板門店に行って欲しい』と懇願してきたんだ。驚いたよ」(同前)

オバマへの対抗心で、まさかのどんでん返し

 米官僚の反対により一度は立ち消えになった米大統領のDMZ訪問。しかし、それを強行しようとしたのは、なにをかくそうトランプ大統領自身だった。

「トランプは17年の訪韓のときからDMZ訪問に強い関心を持っていた。オバマですら北朝鮮訪問はしていない。現職米国大統領が北朝鮮の領土を踏んだことがないと聞くと、オバマに対抗心を持つトランプはDMZ行きと、北朝鮮行きに強い関心を示すようになったんだ」(同前)

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 トランプがDMZ行き、そして金正恩との会談に積極的だったのは、ある確信があったからともいわれている。

 6月11日、金正恩はトランプに親書を送っている。親書の内容は明らかにされていないが、米メディアなどでは14日に誕生日を迎えたトランプへの誕生メッセージではないかなどと伝えられた。

ドナルド・トランプ米大統領 ©JMPA

トランプから金正恩への親書には何が書いてあったのか

 この親書が重要な役割を果たしたと指摘するのは、北朝鮮事情に詳しい韓国人ジャーナリストだ。

「トランプはその後、金正恩に親書への返信を送りました。それを受け北朝鮮の国営放送局・朝鮮中央TVは23日に、『(金正恩委員長は)トランプ大統領の政治的判断能力と並外れた勇気に敬意を表するとし、興味深い内容を慎重に考えてみると述べた』と報じました。この報道から分析すると、金正恩の親書、もしくは親書の中に付帯文書を同封するなどの方法で、北朝鮮側から米朝会談の提案があり、トランプもそれに同意するような返信をした可能性が高いのではないか」

 金正恩がトランプに親書を送った直後の13日、ノルウェー訪問中だった文在寅大統領は、「金委員長の手紙の中に興味深い内容がある」と語っている。

 そして金正恩の意向を受ける形で、文大統領はトランプのDMZ・板門店訪問を米政府に何度も懇願するようになったのだ。

「DMZに行くかも」発言、削除されていた

 前述のようにトランプはDMZ訪問に強い関心を示していた。実際にトランプは米国政治専門紙『ザ・ヒル』(6月24日付)のインタビュー中にも、「DMZに行くかもしれない」と発言していたという。

「しかし、このトランプ発言は、ホワイトハウスのチェックで『国家安全保障上問題がある』と判断され、削除されたのです」(国際ジャーナリスト・山田敏弘氏)