しかし、そこは常識外の男・トランプ。29日にツイッターで突然、DMZ訪問を明らかにしたうえで〈もし金正恩委員長がこれを見たら、握手してあいさつするためだけでもDMZで彼と会うかも?!〉と書き込んだのだ。
そして30日に板門店での3度目の米朝会談が実現し、トランプは現職の米大統領として初めて北朝鮮側に越境するなどのパフォーマンスを繰り広げたのだ。
DMZ訪問実現のために走り回った文在寅
「韓国政府はトランプDMZ訪問を実現させるために、シークレットサービスの武器携帯を全面的に許可したようです。実際にトランプの警護についていたシークレットサービスは防弾チョッキを着込んでおり、銃器も当然、携帯していたはずです」(韓国メディア記者)
板門店での文大統領は、トランプと金正恩の様子を静かに微笑みながら見守っていた。金正恩のために走り回り、あらゆる障害を取り除き米朝会談を実現させたことに彼なりの満足感を得ていたのだろう。
米朝会談の評価、米国では?
だが、板門店で行われた3度目の米朝会談の評価は、米国では散々だ。
「2017年には米国人青年が北朝鮮に1年半拘束され、解放後に死亡するという事件が起きた。そのような非人道的な国の独裁者とトランプは同じテーブルに就くのか、と米メディアは米朝会談を批判しています。米政府内からも米朝会談は『北朝鮮を核保有国として認めることになる』と疑問の声が浮上しています」(前出・山田氏)
専門家内でも「北朝鮮は今後も確実に非核化しないだろう」と見られるなかでの米朝会談は、その内容の乏しさも含め、トランプの外交パフォーマンス以上の価値はないとの評価のようなのだ。
文大統領は“忠犬”としての役割に満足したかもしれない。