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雅子さまが「モグラ塚」を見つけてから会話は尽きなかった
皇太子は、雅子さんに皇室のことを少しでも理解してもらうため皇族の生活や諸行事などをお話しされたという。途中、モグラが巣を作る時に排除した残土が盛り上る「モグラ塚」を見つけた。動物好きの雅子さんは懐かしがり、幼い頃にモグラ塚を見つけたときの話や、米国・ベルモントの自宅前が自然保護区で、リスやタヌキが出没した思い出を語ったと言われている。皇太子もこの保全地区にはタヌキが生息していることなどをお話しになったといわれ、会話は尽きなかったという。
昼食後は、広い芝生の上で童心に返って輪投げをされた。笑い声が聞こえるなど楽しそうなご様子だったという。
「国を思う気持ちに変わりはないはず」強く述べられた思い
しばらくして、皇太子は表情を引き締められ雅子さんに語りかけた。
「私と結婚していただけますか」
はっきりとしたプロポーズだった。
だが、雅子さんは、まだ決心がつかなかった。やっと次のように返事をした。
「……お断りすることがあっても宜しいでしょうか」
皇太子は穏やかなご様子は変わらなかったが、しかし諦めずに、
「外交という分野では、外交官として仕事をするのも、皇族として仕事をするのも国を思う気持ちに変わりはないはず」
と言葉を強く述べられたと言われている。そして、
「雅子さんが皇室に来てくれたら嬉しい」
と素直にお気持ちを伝えられたのだった。