1月15日、第162回直木三十五賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、川越宗一さん(41歳)の『熱源』(文藝春秋)が選ばれた。
川越さんは1978年生まれ。2018年に歴史小説『天地に燦たり』で第25回松本清張賞を受賞してデビュー。当時、川越さんはカタログ通販会社に勤めており、「小説を書きたいと思っていたわけではありません。でも、5年前に沖縄の首里城を訪れたとき物語が浮かび、頭から離れなくなってしまったんです」と取材に語っていた。
受賞作となった『熱源』は2作目だった。同作品は、第10回山田風太郎賞候補、第9回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞にも選ばれている。
■第162回直木三十五賞 候補作(出版社)※作者五十音順・敬称略
小川哲『噓と正典』(早川書房)
川越宗一『熱源』(文藝春秋)
呉勝浩『スワン』(KADOKAWA)
誉田哲也『背中の蜘蛛』(双葉社)
湊かなえ『落日』(角川春樹事務所)