と、ここであらためて確認したいのがジャスミンの年齢設定。実写版で同役を演じたナオミ・スコットの実年齢は25歳。そのため誤認しがちですが、アニメ版のジャスミンは15~16歳。実写版で少し年齢を上げている印象があるとはいえ、基本的に彼女はまだ“お嬢ちゃん”。そういえば、アニメ版でおじさん設定だったジャファーが実写版で若くなったのは、ジャスミンに結婚を迫るシーンが不適切にならないようにとの配慮だったとか。
『あさが来た』コンビと重なるジャスミンとアラジンの関係
王宮からほぼ出られず、本で政治を学んできたジャスミンは「国王になる」という強い意志は持っていても、それがどんなに孤独で困難に満ちた立場なのかは実感できていないし、今よりずっと“不自由”な生活を送ることも理解していないのかもしれません。
聡明ではあるけれど、世間知らずでまだ未熟な次期国王。
ああ、だからこそのアラジン……なんですね。ジャスミンの絶対的パートナーは。純粋な心と優秀な頭脳を持ってはいるものの、生きるためにコソ泥をしながら生活し、アグラバーの人々のことを誰よりも熟知している青年。きっとこの先、アラジンはオンの部分でジャスミンにアドバイスをし、オフの部分で彼女から笑顔を引き出す存在になっていくのでしょう。まるで『あさが来た』の新次郎さんが、超男性至上社会の経済界でつねに矢面に立つあさをオン・オフの両面からサポートしたように。
100%の受け身で王子さまのキスを待っていた白雪姫から80年。ディズニープリンセスは、窮屈な場所から解き放たれて自由になる女性ではなく、責任と重圧とを自ら背負い、リーダーとしてその場にとどまる存在へと進化しました。
それはとても素敵なことだと思いつつ、やっぱり憧れますけどね。白馬に乗った王子さまが現れて、いつまでもお城で幸せに暮らす物語にも(ぼそっ)。