7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区のアニメ製作会社「京都アニメーション」第1スタジオから「ドーン」という爆発音とともに黒煙が上がった。複数の近隣住民からの110番を受けて消防車など約30台が出動し、あたりは騒然となった。

「京都府警によると、男がスタジオに入ってきてガソリンのような液体をまき、火をつけたようです。現場には刃物のようなものも落ちていた。男は負傷し市内の病院に搬送されています。所持していた免許証から41歳で茨城出身とみられている。当時現場には67人の従業員がいたそうです」(社会部記者)

爆発火災があったアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオ ©時事通信社

ホースの水で火を消してやったその男が犯人だった

 火災現場となったスタジオ近くに住む女性は、火をつけた男が確保された瞬間を目撃していた。

ADVERTISEMENT

「チャイムが鳴ったので玄関を出たら、息も絶え絶えの男が横たわっていました。足もとには火がついていて、とにかく助けなくてはと近所の人がホースの水をかけていました。逃げ出してきた人かと思ったら、しばらくして警察官が囲んで、男に『どうしてこんなことをしたのか』と質問し始めた。それで、男が犯人だとわかりました。男は声を荒げて、『パクられた』と不平不満のようなことを口にしていた」

 男は、暴れる様子はなかったという。

「男は背が少し高くて小太りの体型でがたいが良かった。Tシャツにジーパン姿でした。足元が剥き出しになっていて、足の裏は血まみれでした。髪はちりちりに焼けていた。やけどなのか、腕は皮が剥けていました」(同前)

近隣住民提供

 

 現場には、京都アニメーションで働く孫(21歳、女性)と連絡が取れなくなって駆けつけた男性(69)が立ち尽くしていた。
 
「孫は2年前から京都アニメーションで働き始めました。3階で働いていたようですが、今朝から連絡が付かず、いま確認したところ、行方不明リストに名前がありました。搬送された病院に名前はなくて、なんとも言いようがない。悲しいです。テレビを見たとき、そんなアホなと思って……」

 男性は、1週間前に孫と会ったばかりだったという。

「そのときも『仕事を頑張っている』と言っていた。映画に自分の名前が載ったことを喜んでいました。昔から絵が好きで、よくアニメの絵を描いていました。最近も孫が自分の給料で、カープファンの私にカープの『辞典』を買ってプレゼントしてくれました」(同前)

©文藝春秋