一方で、大会関係者のホテルがないというのは許されず、オリンピック招致の際には客室数保証も開催地の条件とされる。ただ、事前に仮押さえしたことはわかっているのだから「大会組織委員会で大量に仮押さえしてあり、会場周辺ではホテルの手配が困難になる可能性があります」とチケット販売時に購入希望者へ注意喚起すべきだった。
他方、現段階では“仮押さえ”の状態であるが、各国の競技団体などが独自に宿泊先を確保しているケースもあり、一定数の部屋が不要になる見込みだ。いつ・どれくらいの部屋が手放せるのかは調整中というが、「秋には確定し11月頃から一般客の予約を開始する予定」というホテルもあれば、「国別エントリーが大会の2カ月前なので大会直前まで一般への提供可能客室数は確定できない」という話もあり、いずれにせよ一般利用者が会場周辺ホテルを確保できるのか否かは不確定要素が強い。
郊外や隣接県の駅直結ホテルを狙え
では、一般客はどうすればよいのか。現段階で可能性がある手段として「郊外や隣接県のホテルを狙う」という方法はアリだ。東京の会場で観戦するなら多摩地区、埼玉県や千葉県なども候補といえる。都心から郊外への鉄道は“速達性”が高いので、30分もあれば隣接県への移動も可能。たとえば千葉県のベットタウンには駅を中心に再開発された街が多く、駅直結で新しいビジネスホテルが数多く誕生している。
都心では煩雑な地下鉄移動や乗り換えに数百メートル歩く駅、ホテルへも10分歩いたりなど平気で30分ほどかかってしまう場合も多い。都心から鉄道で30分とはいえ駅直結等の条件であれば検討の価値はあるだろう。多摩地区や埼玉県、千葉県のホテルへ実際に電話して確認してみると「まだ予約は可能」との回答がいくつも確認できた。埼玉県でも京浜東北線沿線では難しかったが、東武東上線や西武線沿線では予約可能なホテルがあった。ただし、郊外に宿泊という選択には鉄道頼りということもあり、競技開始時刻/終了時刻などを考慮する必要がある。
都心にこだわるなら「進化系カプセルホテル」が狙い目
どうしても都心ということであれば、簡易宿所(カプセルホテルやホステル)も候補に入るだろう。カプセルホテルは、プライバシーの確保は劣るが、最近、女性も利用可能な“進化系カプセルホテル”といわれる施設も増加、旧態型のビジネスホテルよりも快適とセレクトする人もいる。ホステルはバックパッカーを例とするような訪日外国人旅行者も多く、国際交流の場にもなっており宿泊+αの楽しみを求めるゲストは多い。こちらもそれぞれ数軒に確認したところ、まだ予約可能の施設もあった。合法化された民泊も競争が激化しており、ホテルライクなクオリティの高い施設もあるので情報収集の価値はあるだろう。