1ページ目から読む
2/2ページ目

マウンドでの言葉の使い方がすごい

 来年以降、FAも噂される秋山選手の動向が気になりますが、もしキャプテンの座が空いた場合、間違いなく跡を継いでいい逸材が源田壮亮。そう感じるのは今季、守備のときにマウンドに行く回数が、誰が見ても多くなっているからです。

 すごいのが、マウンドでの言葉の使い方。若い選手には言葉があまり重くならないように、かつリラックスさせるように、短い言葉で「さあ、行こう」「一人、一人」などとかけていく。

 一方でベテランの榎田(大樹)投手の場合、4回の時点で球数が80球くらいになっていると、「はい、完投、完投」って声をかけるみたいなんです。

ADVERTISEMENT

「いや、無理に決まってるだろ! 見ろ、球数!」って(笑)。

 でも、それが源田選手なりの言葉のかけ方なんです。「少しリラックスしてください」って言うのではなく、「完投、完投」と言ったほうが榎田投手はリラックスできる。ちゃんと使い分けられているんですよ、源田壮亮という男は。

 だから若い女性ファンは、源田選手を見て「たまらん」とか言っている場合じゃないですよ! 「かわいい」とか、そんなのはダメダメダメ!!

「源田選手って、そんな細かいところまで神経使えるの? そんなにチームのみんなから愛されているの!?」

 そういうことを知ると、「たまらん」じゃなく、「た〜まらん」って感じになるでしょ?(低い声でつぶやくような感じ)

「#源田たまらん」じゃなくて、「#源田た〜まらん」。思わず声に表情がついちゃうような感じです。源田選手自身が入団してから1段ずつ積み上げていって、「たまらん」レベルが変わっているんです。

 残りわずかとなった今季、リーグ連覇のカギになるのは源田選手の頼もしい姿だと思います。例えば「源田がマウンドに行くと、ちょっと落ち着くよね」となって、「小野(和義/投手コーチ)さんが1回行かなくて済むかな」ってなっていく。そんな源田選手の姿を辻(発彦)監督が頼もしく見て、小野さんに、「今、行かなくていい」と制すくらいになっていけばいい。

 チームのヘッドコーチ的な役割には馬場さん(作戦兼守備・走塁コーチ)がいますけど、源田選手にはプレイヤー兼ヘッドコーチという感じで、司令塔として頑張ってほしい。それくらい背負える男だと思うので。

 それでみんなで、「源田た〜まらん」って言いたいですね。

構成/中島大輔

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/13165 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。