昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

通算400号! 中村剛也が明かした“ホームランを打つための練習法”とは?

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/07/26

「どんなメモリアル弾になるのかな〜」。7月10日以来、“次の1本”が出る日を、指折り数えていた。同15日からの千葉ロッテ3連戦。「元チームメイトの涌井秀章投手(16日先発)からだったら、ライオンズファンとしては感慨深いなぁ」「中継ぎの田中靖洋投手(元西武)からもアリか」「“プロ初奪三振”の相手として名前が記録に残ってしまった、ルーキー小島和哉投手(17日先発)への記録刻銘リベンジというのも面白いかも」……etc。だが、そのどれも妄想に終わった。

 そして5試合目の19日、ついに待望の一発が訪れた。9回裏、1−4の3点ビハインドから、金子侑司の3ランホームランで同点に追いつき、迎えた延長11回裏だ。先頭の森友哉選手が三振に倒れた1死で打席に立った中村剛也選手は、増井浩俊投手の投じた4球目をレフトスタンドへ。「久しぶりに芯に当たったので、入るかなと思いました」。通算400号のホームランは、チームを逆転勝利に導く値千金のサヨナラ弾という、最高の“逸本”となった。

通算400号を放った中村剛也 ©時事通信社

“中村剛也流” ホームランを打つための練習法

 昨年末の契約更改後の会見の席だった。取材陣から「通算400号まで後15本だが」と話を振られ、「きっちり意識してやりたいと思う。来シーズン、普通に試合に出て、普通に良いバッティングができればいける数字。あっという間に通過したい」と、思いを口にしていた。そして実際は、今季86試合目での記録到達。「本当は、もっとあっという間に打ちたかったのですが、なかなかホームランが出ない時もありましたし、ここまで時間がかかった」とはいうものの、出場1611試合目での達成は、歴代5位のスピードとなった。

 日頃から「バッティングは嫌い」と言い切るが、「小学生の頃から、ホームランを打つための練習はたくさんしてきている」という自負はある。「“中村剛也流”、ホームランを打つための練習法とは?」本人に直接聞いてみた。

「まずは、“ホームラン”を打つこと。ホームランを打とうとすると、意識的に、ゴロを打つスウィングではなくて、角度をつけるためのスウィングをしないと、打てないわけです。だから、まずはそういう形というか、“ホームランを打つ”意識。素振りもそうですし、バッティング練習もそうですし、1つ1つをその意識でやると、いろいろわかってくるものがある」と、真意を説明する。やっていくうちに、打球に角度をつけるためにはどうすれば良いのか、飛ばすために何が必要なのか、身体のどこを鍛える必要があるのか、などが、自ずと見えてくるのだという。そこから、徹底的に自分で研究、追求していくということである。
 
 数年前、雑誌のインタビューで打撃について語ってもらったことがあった。スウィングで最も心掛けていることの1つに「力を抜くこと」を挙げ、「バッティングにおいて、打とうとすれば、力は絶対に入るもの。重さのあるバットを持っているわけですから、それを支えるためにも力はいりますから。その力だけで十分です」。「無駄な力を再確認するために、たまにわざと、練習などで思い切り力を入れて振ってみたりする」。「体重もあるし、無駄な力はいらないと思っているので、軽く、ゆっくり振りたい。力を抜くためにも、ゆっくりタイミングをとって、ゆっくりスウィングして、ベンチに帰る時もゆっくり(笑)。そういうイメージ。リラックスして打席に入って、リラックスしたまま振っています」。など、追求を重ねたからこその打撃論が随所に詰まっていた。