「朝ドラのオーディションを受けたのは、『まれ』(2015年、NHK)が初めてでした。日帰りで福岡から上京して、周りの人の演技に圧倒されたことを凄く覚えています。それが高校3年生の18歳の時で、そこから10年が経ったと思うと、自分でも色々感慨深くて……」

 こう明かすのは、現在放映中のNHK連続テレビ小説『あんぱん』で、ヒロイン・朝田のぶを好演している今田美桜(28)だ。

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 国民的アニメ「アンパンマン」を世に送り出したやなせたかしとその妻、暢をモデルにした本作。のぶは柳井嵩(北村匠海)の幼馴染で、夫婦で激動の時代を生き抜いていく。

NHK放送100年目の朝ドラヒロイン(『あんぱん』のHP、インスタより)

「役作りではお稽古事も沢山させてもらいました。土佐弁に薙刀(なぎなた)に、速記、パンも作ったり……。今後、色々と出てくると思います」

――特に苦労したのは?

「お着物に下駄で走ることですね。下駄はもちろん、履いて走ることにはもっと慣れてなかった。撮影に入る前、練習のために実際に使う下駄をお借りして、プライベートでも履いたりとかして」

――え、出かける時も?

「そうですね。普通に出かける時にも下駄。夏だったので、ビーチサンダルみたいな感じでいいかなって(笑)。そうして練習して本番でも何度も走っていたら、なんだか前より足が速くなった気がしますね」

 これまで様々な役柄を演じてきた今田。脚本を手掛けた中園ミホ氏は「週刊文春WOMAN」(25年春号)で、彼女の起用を聞いて「内心『やった!』と思いました」と語っている。

「正直、自分がどういうタイプの人間なのかよく分かってないのが本音です。ただ、のぶが持つ自然と周りを引っ張っていく天性の力は凄い。彼女のことを尊敬しているからこそ、『私もそうなりたい』『近づきたい』という感情が私の中では大きくなっています」

――自身との共通点は?

「のぶは三人姉妹の長女で、私も下に2人、妹と弟がいます。『妹に対してこう思ったこともあるな』と思い返したりしました」

 現在配信中の「週刊文春 電子版」および24日(木)発売の「週刊文春」では、共演者の北村匠海や浅田美代子との撮影エピソードや、朝ドラヒロインになるまでの葛藤や転機などについても語った今田の独占インタビュー全文を掲載中。他にもイラストレーターの宇野亞喜良さんが語るやなせたかしさん、元部下と元秘書が語るやなせさんと妻・暢さんの素顔など『あんぱん』を徹底特集している。