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写真のなかで世界が肯定されている

 たくさんの写真を全身に浴びるようにして観ていくと、路傍にも駅のホームにもショーケースにも赤ん坊にも、それぞれを最も美しく見せるような光がたっぷりと降り注いでいることに気づく。また、光を浴びているから当然なのだけど、モノの傍らにくっきりとした影が寄り添っているのも美しい。どの写真も、あるときある場所のほんの断片を切り取っているだけなのに、不思議なほど愛おしいものとして目に映る。ああ少なくともこれら画面のなかでは、すべてのものが肯定されているのだなという実感が湧いてくる。

 
 

 肯定感たっぷりな無数の世界の断片によって、ぐるり四方を取り囲まれるという体験は、もちろんこの上なく快いものなのだった。

撮影=伊澤絵里奈