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中央線ユーザーの恐怖 「深夜の『大月行』で終点まで行ってしまったら」をプチ体験――2019上半期BEST5

大月駅には何がある?

2019/08/10

genre : ライフ, 社会,

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リニアの見学センターも近い

 と、そうしているうちに駅前のバス乗り場に1台のバスがやってきた。行き先は「県立リニア見学センター」。大月駅から少し南に行ったところには、現在建設中のリニア中央新幹線の実験線があり、走行試験の様子を見られる見学センターも併設されているのだ。歩いていける距離ではなく、駅前から見学センターまでバスが出ている。そのバスに2組くらいの親子連れが乗り込んでいった。このあたりの観光スポットとして定着しているのだろう。ちなみにリニアが開通しても大月付近に駅ができる予定はない。

リニア中央新幹線の実験線も大月駅から近い

 結局、1時間くらい大月駅付近をうろうろしていたが、駅の中が賑わうのは中央線の特急や富士急の電車が到着したときくらいのもの。それも駅の外では賑やかな声が漏れ聞こえるくらいで、大半がそそくさと乗り換えて大月を後にする。今では新宿から河口湖方面への高速バスが盛んに出ていて、中央線と富士急を乗り継いで来る人もだいぶ少なくなっていると聞く。その対抗策なのか、今年3月のダイヤ改正でJR東日本と富士急行は新宿~河口湖間の直通特急「富士回遊」を1日2往復走らせるようだ。そうなれば確かに富士山方面へのアクセスはより便利になるが、逆に言えば大月駅は今よりももっと素通りされる終着駅になってしまう。

あずさの新型車両も新宿~河口湖間の直通特急「富士回遊」として走る予定
富士山を背に走る「富士山ビュー特急」

 そうした中で、寝過ごして大月駅にたどりついてしまったら。一応ホテルがあることは確認できたけれど、山間の駅だけに夜の駅前はきっと真っ暗だろう。やっぱり、そこには絶望しか待っていない。事前に予習をしたところで、大月行の中央特快に乗るときに細心の注意が必要なのは変わらないのである。

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   写真=鼠入昌史

今回の路線図。東京駅~大月駅へは中央特快で1時間40分ほどだ

2019年上半期 トラベル部門 BEST5

1位:中央線ユーザーの恐怖 「深夜の『大月行』で終点まで行ってしまったら」をプチ体験
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