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ライオンはインド経由でイギリスへ向かう予定だった
「動物はバングラデシュからインド西部の方に向かっていたようだ」
同局の地元幹部は地元紙にそう打ち明ける。その後、なんとライオンはインド経由で隣国バングラデシュから遥か向こうのイギリスに向かう予定だったことが判明。ライオンと一緒に車にいて逮捕された首謀者とみられる人物は、ほかにも野生動物の闇取引に関わった経歴の持ち主で、持っていた携帯電話は犯罪組織から供給されたものだったこともわかった。
今年2月にはヒョウの子供がタイからの旅行客の荷物から見つかっており、インドが野生動物の闇取引を手がける国際的なネットワークの結節点になっている状況が浮かび上がってきている。
ビニール袋に入れられていた人気の熱帯魚
野生動物の取引はアジアに限らない。中米メキシコでは取引価格1000万円以上ともされるホワイトタイガーの子供が不審なトラックに積まれていたのを当局が発見し、保護。ホワイトタイガーはインド周辺にしか生息していないとされ、太平洋をまたいだ密輸も疑われる。
さらに同情を誘うのは、天寿を全うできなかった生物だろう。南米ブラジルで、わずかばかりの水を入れたビニール袋のなかで発見されたのはインペリアル・ゼブラ・プレコ。白い体に黒の縞が入ったシマウマのような模様が人気の熱帯魚だが、袋詰めにされたこの魚は目が白く濁り、高くそびえるはずのひれはだらんと垂れ下がっていた。移動の過程で死んだとみられる。