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「モラハラ夫だったから、彼女ががんに」

 おかげでみるみるスリムになっていったが、痩せた姿を鏡で見て「自分もがんかも」などと不安に駆られ、人と会っていても「元気に話しているが、この人もジワジワとがん細胞が成長しているのだろうか」と思考が妙な方向へと向かっていくように。

 ついには「妻のがんはきっと自分がモラハラ野郎で多大なストレスを与えていたのが原因に違いない」と自分を責め、泣きながら義理の母親に謝ったりもしていた。

 このヤバい状況からの“お目覚めビンタ”となったのが、息子の発疹だ。

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©iStock.com

 保育園から戻るや全身が赤く腫れ上がり、救急医療センターに駆け込むがこれといって悪いところなし。しかし、父親ひとりで救急に赤ん坊を連れてきたことに先生は「ははーん」となったようで、母親はどうしているかと訊かれて涙しながら入院中だと答えたところ「母不在のストレスが原因」との診立て。

 息子だって辛いのにいつまでも自分がこんなんじゃ駄目だと、その日から泣くのを一切やめた。さらに妻が大腸がんになったのは最低最悪だが、数年前の発覚だったら妊娠どころじゃなくて息子にも会えなかったはず。これは、「いまここでキチッと治療して息子をしっかり育て上げろ」みたいな神様からの啓示ではないか。そうスピリチュアルに考えなければやっていられなかったのが本音だが、きっと間違っていないはずだと自己洗脳したらだいぶ落ち着いてきた。