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――実際の奥山さんはどんな方でしたか?
僕は作品に参加できるだけで嬉しかったんですが、奥山は「自分のアイディアをなぜ全部採り入れてくれないの?」みたいなところがありました(笑)。いや本当に、宮さん(宮崎駿)と同じぐらいにハッキリとものを言う人だったので。
『太陽の王子 ホルスの大冒険』(’68年)のとき、みんなに意見を募るんです。あらすじが出来ると「登場キャラクターは?」ということになり、大勢から集まったものを検討して、それぞれの良い部分を合わせて完成させる。普通はひとりの人間が考えたことで決まります。そうではなく、みんなから出たものからまた膨らんでいくことがあるんです。でも奥山は、自分のアイディアが丸ごと採用されなかったことを結構不満に思っていましたね(苦笑)。それだけ情熱的だったということですが。
ちなみに、ホルスのキャラクターを森康二さんが描くと、ちょっと優しさみたいなものが出ている。やっぱり人によって、設計図があっても個性が出るものです。ヒルダは森康二さんが創ったキャラクターです。高畑勲監督の強いご指名でした。