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『なつぞら』アニメーション時代考証担当・小田部羊一が語る、あのころの日本の“なつぞら”

仕事も遊びも一生懸命だった時代のアニメーションづくり

2019/09/28

 広瀬すず、草刈正雄ら豪華キャストで好評を博し、終了したNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』(2019年)。本邦アニメーション史をひもとく貴重なセミドキュメンタリードラマの一面もあった。

小田部洋一さん。8月4日(日)のユジク阿佐ヶ谷でのトークイベントの後、取材を受けて下さった。©文藝春秋

 この番組で“アニメーション時代考証”を担当している小田部羊一は、広瀬演じる主人公・奥原(坂場)なつを描くうえでヒントとなった、東映動画出身のアニメーター/銅版画家・奥山玲子さんの夫君。ご自身も名作『アルプスの少女ハイジ』(’74年)のキャラクターデザインや、世界的ヒットを記録したファミコンゲーム『スーパーマリオブラザーズ』シリーズ(’85年~)などのデザインや監修等も手がける、我が国屈指のクリエイターのおひとり。そんな重鎮・小田部さんに、『なつぞら』大ヒットと放送終了を記念して、約60年前の当時を振り返っていただいた。

――小田部さんが『なつぞら』のアニメーション時代考証を担当されるに至った経緯をお聞かせください。

 東映アニメーションの清水慎治常務(2019年9月現在)からお話をいただきました。NHKから「あの時代で描きたい」というお話があった時点で清水さんの中では「女性が主役だったら奥山玲子さんしかない」という想いがあり、彼女の夫である僕を指名されたのだと思います。

 僕は最初、NHKの方に「分からない部分はなるべく知っている人を取材すればいいんじゃないですか?」と、ご提案しました。例えば声を入れるアフレコ作業には僕は立ち会っていません。その場合は僕と同期の監督をご紹介して、その人からどういう場所でやった、誰がいた、どういうマイクがあったとかそんなことまでちゃんと取材してもらいました。だから、ドラマ全体もそんなに間違いはないと思います。

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