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阪神・福留孝介が元相撲部記者のお腹をさすってホームラン!? 奇跡を呼ぶ“幸福のお腹”伝説

文春野球コラム ペナントレース2019

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“験担ぎ”として、お腹を利用する選手たち

 今春キャンプでは糸井選手がランニングを行う際に「走るぞ」と肩を組まれてサブグラウンドに連れて行かれ、ランニングメニューをさせられそうになったりもしました。それも、毎日でした……。最終的には球団広報が制止に入って、走ることはなかったのですが糸井選手の「俺は毎日走ってるねん。たまらんわ~」という言葉を耳元で聞くことができ、強い覚悟で走り込みを行い、下半身強化を図っていることを知ることができました。ペンとノートを持って取材する記者のイメージからすれば、大きな体1つだけで取材が成り立ってしまったのはある意味僕の「特権」なのかもしれません。

 そして“験担ぎ”としても私のぽっこりと出たお腹が利用されることがあります。きっかけは5月5日のDeNA戦での試合前でした。クラブハウスからベンチに向かう際に、またまた糸井選手が私のお腹をさすって試合に向かいました。すると6回にタイムリーを打ちました。この時は何も意識していなかったのですが、翌日に想定外の出来事が起こりました。試合に向かう通路で今度はあのベテラン・福留選手にお腹をさすられたのです。その光景を見ていた周囲の記者と冗談交じりで「もしかしたら打つかも……」と話していると、9回裏にサヨナラ2ランを放ったのです。実は、この一発はセ・リーグ通算5万号のメモリアル弾となり、甲子園の虎党が大熱狂している裏で試合前に話していたことが現実となった僕の全身は鳥肌が立っていました。

5月5日のDeNA戦でサヨナラ2ランを放った福留孝介 ©時事通信社

 調子に乗ったわけではないですが、2日後のヤクルト戦前に効果について福留さんに真意を尋ねると「そんなん関係ないやろ~」と肩すかしを食らいましたが、横でその様子を見ていた中谷選手が「俺が触っておくわ」と言ってお腹に触れると、翌日のヤクルト戦の延長12回に代打で登場し、一時勝ち越しとなる2点二塁打を放ちました。「これは偶然なのか……?」。私はお腹を見ながら、不思議な力に怖さすら感じてしまいました。さらに、噂を聞きつけた梅野選手もお腹をさすってから臨んだ試合で安打を放ち、7月末に不振で2軍落ちを経験した木浪も1軍に昇格してからは、度々お腹をポンと触って大活躍。9月は13試合連続安打を記録するなど好調で猛虎の1番に定着しつつあります

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 私の大きなお腹が“幸運のお腹”になっているのかは別として、相撲しかやってこなかった体がこうして別世界の野球でも、仕事として生かされるとは1年前には想像もできなかったのでありがたみを感じています。チームは12日の時点で3位広島と4.5ゲーム差でCS進出に向けて負けられない戦いが続いていますが、“下から上へ”のテッポウ精神で最後まで諦めずに戦い抜いてもらいたいです。ちゃんこ長谷川は最後まで矢野阪神に熱々のパワーを送り続けます。

ちゃんこ長谷川(スポーツニッポン)

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