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いまベイスターズに立ちはだかる「壁」の正体 スラムダンクに学ぶ「断固たる決意」

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/09/18
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いまのベイスターズには「断固たる決意」が求められている

 巨人がセ・リーグで絶対的王者かというと、近年では3連覇を果たしているカープの方がその言葉にふさわしいかもしれない。しかし、長いプロ野球の歴史からすると、巨人は球界の盟主であり、絶対的王者という言葉にふさわしい。しかも、今年の巨人は原監督の復帰によりシーズン序盤から好調で、優勝に手が届きそうな位置にいる。巨人ファンにとっても、久々の優勝が目前にある。ここでベイスターズが優勝しそうになったところで、それを望まない、つまり、最終的には巨人が負けることを望まないという観客の声は自然と生まれるだろう。そんな中で優勝を目指すベイスターズには、「もはや何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意」がまさに求められている。

「自分たちはやはり、チャンピオンにはふさわしくないのではないか」

 目標に手が届きそうになると、心の中で誰かが囁く。「まだ、それにふさわしくないのではないか」と。この声を聞いた者の前に壁は現れる。壁を目前にしたとき、決まって現れるのは、壁を超えないための理由だ。

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「2位でも、”以前よりは強くなった”と言ってもらえる」
「地元開催のクライマックスシリーズが戦える」
「怪我人がこれだけでた中で、よくやり切った」

 ベイスターズは今、試されている。自分たちは、本当に「王者」にふさわしい在り方で戦っているのか。言い訳を一切排除し、「何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意」はあるのか。優勝は、その先にある。

 絶望的な状況であることに依然変わりはない。しかし、諦めてはならない。前出の安西監督も言っているではないか。

「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」と。

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