中国の本音レベルでの「チャイナ・ファースト」
また、TPPをお蔵入りにさせたトランプ大統領の、多国間、マルチでの外交よりも一対一、バイでの外交志向が強い以上、どうしてもハレーションを起こすアジア近隣のパワーバランスへの対処は悩ましいものがあります。例えば、外向けにはあれほど台湾を守る、一つの中国を認めないと豪語していたトランプ大統領が、いざ中国・習近平国家主席との電話会談になると一転して一つの中国に配慮するような発言をしたと報じられ、中国膨張主義にアメリカが制裁を加えるであろうと予測した筋は綺麗に梯子を外されることになりました。結果として、アメリカに関する報道に規制が敷かれていない中国国内では対アメリカ、対トランプ大統領で言いたい放題の状況になっています。そこには環球時報英語版(Global Times)のように「アメリカ・ファースト」に対抗する「チャイナ・ファースト」とのせめぎ合いがアジアを動かす的な中国流の大国主義思想も本音レベルで平然と報道されていたりします。ああ、中国はやっぱりそう思っているんだね。
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Xi-Trump call heralds new phase in relations communication
[引用] In terms of national strength, the US is more powerful than China. However the US has broader interests around the globe and some of its interests extend close to China's area of core interest. This has led to a special type of balance in East Asia, especially in areas around China, where China's strength and resolution to defend its core interests matches with that of the US.
[抄訳] 国際的な力関係ではアメリカの方が中国より勝っている。だがアメリカはその力を世界的に分散させていかなければならず、その一部は中国の核心的利益にまで伸びている。東アジア、とりわけ中国周辺地域での核心的利益を守る中国の力と決意があれば、アメリカとの力関係も拮抗するだろう。
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アメリカ追従情けないと感じるか、トランプの歓心買ってくれて良かったと思うか
そういう大国主義をむき出しにしている中国と、
その結果として、安倍首相訪米中に行われたNHK世論調査では安倍首相の支持率は上がって58%、不支持率は下がって23%だそうです。ある意味で、安倍首相は結果として平和のセールスマンみたいな状態だからこそ、トップニュースが女優の出家や著名ママタレの書類送検でも「まあいいや」ってなれるんでしょう。
たとえ、それがかりそめの平和に過ぎないとしても。