「出てきて下さい。そのA子さん」
なお、記事中で菅原氏は「本人が公衆の前に出てくれば冷静に判明できます」「出てきて下さい。そのA子さん」と呼びかけていたが、これは財務省の福田淳一事務次官がセクハラ問題で辞任した際、財務省や麻生太郎財務相が被害者に名乗り出るよう呼びかけた事例とまったく同じだ。
菅原一秀 経済産業相
「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」
朝日新聞デジタル 2016年6月17日
菅原氏の発言をもう一つ。2016年6月、東京都知事選をめぐる党会合で、都知事選への出馬が取りざたされていた蓮舫民進党代表代行(当時)について、「五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」と発言していた。
デマに踊らされる“自民党ネットメディア局長”
しかし、実際にはそのような記述はなく、菅原氏は取材に対して「蓮舫氏のブログではなく、ネットで流れていた情報だった」と訂正した。蓮舫氏は「(帰化して泣いたというのは)SNSで拡散されているデマだ。国会議員がこのレベルの書き込みを真剣に受け取って発言するとは驚きだ」とコメントしている。
だが、菅原氏はネットに疎かったわけではない。その真逆で、2015年10月には自民党ネットメディア局長に就任。2016年当時は自民党公認のボランティア組織、自民党ネットサポーターズクラブの代表も兼務していた。菅原氏が自民党ネットサポーターズクラブの書き込みを目にして、そのデマを利用しようとしたということも十分考えられる。
菅原氏の嘘といえば、選挙公報に「甲子園出場4回」と記されていたが、実はアルプススタンドで3回応援していただけだった、というものがある。立派な経歴詐称だが、この嘘が可愛く見えるのだから困ったものだ。