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その足で、その守備で……絶体絶命の西武に金子侑司が必要不可欠な理由

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/13
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『ファインプレー時、帽子が落ちる問題』について本人に直撃

 “魅了”という点で、もう1つ、どうしても触れておきたいことがある。『ファインプレー時、帽子が落ちる問題』だ。この点も、毎回本当に楽しませてもらった。ライオンズファンのみなさん間ではすでに周知のことだろうが、他チームファン、野球ファン以外の方のためにあえて説明させていただく。金子選手は守備範囲が広く、全力疾走で打球を追いかける際、不思議と、必ずといっていいほど帽子が落ちるのである。ファインプレーで観客を魅了した後、ほぼ毎回、親切に帽子を拾ってくれる中堅手・秋山翔吾から手渡されたそれをクールにかぶり直す姿が、ユウジ・カネコファンの間で好評なのである。

 その点について、ずっと気になっていたので、ついに本人に直撃した。

「個人的には、とても楽しんでいるのですが、なぜ、帽子が取れるのでしょう?」

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「わからないんですけど、たぶん、髪質なんですよねー」

 答えには、きちんと証拠が添えられた。「だって、パーマをかけたりしたら、そんなに脱げないですもん。だから、絶対それ(髪質)なんだと思います。でも、だからなのか、ファンの人からは『サラサラの方がいい』と言われるんですよ(笑)」。

 かく言う現在、金子選手の髪型は、(一応)女性である筆者から見ても羨ましくなるほどのツヤツヤ&サラサラストレート。帽子脱げる率高し!である。

 クライマックスシリーズファイナルは、まさかのライオンズ3連敗。その中で、満員のスタンドがひときわ沸いたのは、金子選手が出塁した時だった。それはつまり、彼の盗塁は、ホームランや奪三振にも匹敵するほどの価値があることを、ファンの方も認めている何よりの証拠だろう。もはや、それほどまでに、必要不可欠な存在なのである。

 台風の影響で、12日の第4戦は中止。3連敗中の流れを切りたいライオンズにとっては、最高のリフレッシュ時間となった。もう1つも負けられない。絶体絶命だからこそ、その足で、その守備で、勝利の足がかりとなってくれることを心の底から期待している。

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