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「知人男性」「高津クリニック」「原樹“里”警察」……奥深き“プロ野球語”の世界

文春野球コラム 日本シリーズ2019

2019/10/27
note

カネやん、原樹理、そして高津監督

 さぁ、ここからさらに「ヤクルト版・プロ野球語辞典」をご紹介。

【週三焼肉】

 次代のスター候補・廣岡大志のキャッチコピー。焼き肉が大好きで「週に三回は食べる」ということから名づけられた。19年には「廣岡大志の週三焼肉弁当」(1300円)が神宮球場で販売されたが、育ち盛りの若者にはおススメも、衰え盛りの中年には少々ヘビー。僕は胃もたれした。

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【準永久欠番】

イラスト/佐野文二郎

 永久欠番に対して、「その番号にふさわしい選手がいた場合に限り、番号を復活させる」というのがこの番号。有名なのは、ヤクルトの背番号《1》はミスタースワローズの称号として、それぞれ数年のブランクを経て、若松勉から池山隆寛、岩村明憲、青木宣親、そして現在の山田哲人に引き継がれている。

【高津クリニック】

 20年シーズンから一軍監督を務める高津臣吾の指導手腕を称して、ファンが敬意をこめて命名。故障者や技術的に伸び悩む投手に対して、技術面、心理面から絶妙なアドバイスを送ることが由来。決して、川崎市にある病院ではない。

【ハズレ1位】

イラスト/佐野文二郎

 ドラフト会議において1位指名が重複して抽選が行われたケースで、外れ球団が別の選手を指名したことを指す。10年のヤクルトは早大の斎藤佑樹を外し、続いて八戸大の塩見貴洋を外し、「ハズレハズレ1位」で履正社高校の山田哲人を獲得。ハズレのハズレは大当たりだということもあるのだ。

【原樹「里」警察】

 次代のエース候補・原樹理は、しばしば「原樹里」と表記されることから、誤記を見つけた際に、「それは違うの。《里》じゃないの、《理》なの!」と指摘する行為を指して、「原樹里警察」と呼ばれるように。類語としては「バファローズ」の誤記である「バッファローズ警察」も。

【左で打てや!】

 年始の恒例特番『夢対決!とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』における山田哲人の名セリフ。実際の球場を使って行われる「リアル野球BAN」において、対戦相手でスイッチヒッターである杉谷拳士(日本ハム)に対して、山田が繰り返すお約束の言葉。右打席で打ちたい杉谷サイドと左打席で打たせたい山田サイドの思惑が交差するも、山田からの挑発にアッサリ乗って左打席に入る、先輩・杉谷の芸達者ぶりが際立つ名場面。

【400勝】

イラスト/佐野文二郎

 国鉄スワローズ、巨人で活躍した「カネやん」こと、金田正一が打ち立てた大金字塔。生涯成績は400勝298敗。年間20勝を20年連続達成してようやく400勝。絶対に破られることのない不滅の大記録。

 ……こんな感じで、ヤクルトを含めた全球団の「プロ野球語」が並ぶ『プロ野球語辞典2』は来春発売予定。ぜひ、「こんな言葉を載せてほしい」という要望があれば、お聞かせください! 文春野球CS、日本シリーズ怒涛の13連戦、長きにわたっておつきあいいただき、どうもありがとうございました! 感謝しかありません。

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