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成田市“マイボトル禁止問題”……地方議会の常識外れの理由は「見当違いの権威主義」?

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議員を『先生』と呼ぶことを禁止してみた

 我孫子市長を務めた当時、“ローカルルール”の改革を試みたこともあると話す福嶋教授。

「市役所職員が議員を『先生』と呼ぶことを禁止するルールを作りました。幸いなことに、当時は若い市議も多く、反対意見もそう多くありませんでした。市民に地方行政を徹底的にオープンにすると、旧態依然にやっていきたい人たちもそうはいかなくなるんですよね。

 地方議会って、ある意味近くて遠い存在だと思うんですよ。国会の中継は見たことはあるけど、地方議会の中継は見たことない人って多いでしょう。でもその距離は、努力すれば近づけることができるはずです」(福嶋教授)

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“マイボトル禁止ルール”について問題提起した会津市議は、ルールが決まった会議の議事録を取り寄せ、その詳しい経緯を調べているという。

「世界が環境問題について考えている中で、なぜこのような不可解なルールが決まってしまったのか。引続き調べていきたいと思っています」

 

*成田市市議会事務局にルールが作られた経緯について問い合わせたところ、以下のような回答があった。

「市議会の委員会室では、過去に『ペットボトルに口をつけて飲むことは良くないのでは』と市民の方から指摘があったことを受け、議員団が用意したペットボトル飲料をコップに注いで飲むことが定着していましたが、新人議員から問い合わせがあったことをきっかけに、今年の6月末に議会運営委員会で話し合いが行われました。その時点で『水筒にはいろいろな形状があるから』と、水筒の持ち込みに否定的な意見も出ました。

 8月28日に開かれた委員会の時点では『原則、議員団が用意した飲料をコップに注いで飲む』ということで決まりましたが、水筒の持ち込みの可否への言及はありませんでした。9月下旬に、水筒の持ち込みを注意された議員からの問い合わせがあったので、改めて話し合った結果、『水筒の持ち込みは禁止』という方針が確認されました」

成田市“マイボトル禁止問題”……地方議会の常識外れの理由は「見当違いの権威主義」?

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