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Aマッソに金属バット……米国の「キツい人種差別コメディ」との違いは何か?

2019/10/05
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「大坂なおみに必要なものは?」

「漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ!」

 漫才コンビのAマッソが9月のライヴ公演で発したこのジョークに対し、黒人差別だとして即座にバッシングが起こった。2日後にはAマッソと所属事務所のワタナベエンターテインメントが謝罪コメントを発表。その翌日、この件をイギリスBBCのスポーツ・セクションが報道。その数日後には大坂なおみ選手本人が以下のツイートを行なっている。資生堂は大坂選手のスポンサー企業のひとつである。

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「"日焼けし過ぎ"(笑)これはすごいね。彼女たちは知らないと思うけど、資生堂アネッサのパーフェクトUVサンスクリーン使ってるから日焼けしたことないの」

大坂なおみ氏 ©getty

「黒人が触ったもん座れるか!」

 Aマッソの件とほぼ同時に、吉本興業の漫才コンビ、金属バットが昨年12月のライヴ公演で使ったネタも黒人差別として掘り起こされた。

吉本興業HPより

 以下は批判されている箇所からの抜粋だ。

小林圭輔「生麦を食べるのは人間にあらず。生米を食べるのは人間にあらず。生卵を食べるのは日本人特有の文化だ。すなわち日本人は人間にあらず。イエローモンキーなのである」

友保隼平「差別が入ったわ。あんたムチャクチャやわ、ほんとに。名誉白人ぶってるもん、お前」

小林「黒人、白人、黄色人種。みんな合わせて地球人」

友保「いいね、いいねぇ! 黒人も白人も黄色人種もね、差別なく、地球っていうひとつの星に住んでんねんから。地球人、差別なくキレイに生きよ。いいこと言ってんのよ、本当にねぇ。山田くん、ちょっと。コバちゃんに座布団、えー、40キロ持ってきて。黒人に運ばせてよ」

小林「なんで黒人に運ばすの。なんで黒人に運ばすのよ、お前。黒人が触ったもん座れるか!」

(2019年12月16日に東京・新宿のルミネtheよしもとで行われたイベント「余韻」より)