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「正義」という名の快楽
もうひとつ、あおり運転について見逃せない要素があります。
それは、「自分は正しいことをしている。アイツはケシカラン」という“正義感”に駆られている人が多いということです。そして、ケシカラン相手を正そうと、制裁行動に出るのです。
“正義感”に駆られている人の脳では、ある脳内物質が放出されています。その脳内物質によって攻撃性が増し、さらに快楽も与えられます。そのため、相手を制裁すればするほど快楽が得られることになり、ますます制裁行動がエスカレートしてゆくのです。
“正義の革命”を標榜する集団のなかで暴力行為がエスカレートし、ときには凄惨な殺人にまで至るのも、このメカニズムが働いているせいだと考えられます。
「相手の運転が間違っているから、懲らしめなくてはならない」という感情に駆られた経験のある人もいるかもしれませんが、じつは非常に危険な要素を内包しているのです。
キレるドライバーの脳内では何が起きているのか?
……より詳しく、知的刺激に満ちた内容は、「文藝春秋」10月号の「人はなぜ『あおり運転』に走るのか」(中野信子)をご覧ください。
出典元
【文藝春秋 目次】<総力特集>日韓断絶 藤原正彦 佐藤 優/<特別寄稿>村上春樹 「至るところにある妄想」/<特集>がん医療の新常識
2019年10月号
2019年9月10日 発売
定価960円(税込)