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2019/10/19

「VVIP」席から見える世界

 SNSにも日々のパリピの活動を投稿していく。パリピの生活はまさにパーティで始まりパーティで終わる日々だ。パリピのグループLINEもあるので、そこでパーティなどの情報共有をする。

 栗ちゃん(*)が海外のフェスも含め常にチェックしてくれている。そして、海外の場合はエアチケットとホテルを手配する人間に頼む。日本のフェスと、海外で行われるフェスとが同じ日にかぶる時があるが、その時はどのフェスにどのDJがくるのか、ラインナップやヘッドライナーをチェックし、人気DJが来るフェスへ行くのである。

*編集部注……パーティモンスターの異名を持つ野口氏の友人

 マイアミであれラスベガスであれ、はたまたタイや韓国であっても、必ずコネクションを使ったVVIP席をキープできるところが、私たちのパリピチームの実力でもあった。メンバーのなかには、栗ちゃんをはじめとして英語を話せる者が何人もいた。VVIP席とは、VIPにもうひとつ「VERY」が加わった、簡単に言えば“超高級席”のことである。

 パリピ人脈のなかには、日本の芸能人たちも含まれていた。しかし、それはさして驚くような話ではなかった。世界のトップアーティストが集まることで知られる、ラスベガスで行われるEDC(エレクトリック・デイジー・カーニバル)においても、パリピ協會は主催者側とつながっていたほどなのだ。

シャンパン三昧のパリピ生活(野口和樹氏提供)

 私たちのパリピメンバーのなかに、たまたま芸能人の友人がいたりするだけのことで、パリピが芸能界へ入り込んでいるわけでもない。コネクションを持つ人間が多かっただけのことである。

「ULTRA JAPAN」の正体

 数あるフェスのなかでも、私がとりわけ好んで毎年足を運んだのが、2014年に初開催された「ULTRA JAPAN」だ。東京・お台場に会場を設け、1日で数万人規模を動員する日本一のミュージックフェスである。

 私たちはそこのVVIP席の常連だった。このVVIP席は、1席が80万~300万円以上という桁外れの値段で、とても一般人が気軽に購入できる席ではない。

 実際のVVIP席には、芸能関係者やモデル、タレント、俳優、女優、大企業の社長などがずらりと顔を揃えていることが多い。水を頼めばペットボトルは1本1000円もする。しかも10本からのオーダーしか受け付けないのだ。シャンパンセットであれば数十万円はする。

 なぜ私のような人間が出入りできたのかといえば、前述した広告代理店とのイベントで仕事をしていた経験が大きかった。担当者と親しくなるにつれ、さまざまな相談事を受けるようになる。