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「上流側はそもそもこれからの予定でした」

――「調整」とは反対運動をした住民との話し合い?

「別に反対運動とはとらえていませんし、いろんな方からご意見、要望を聞いています。その影響で(着工に)動かなかったわけではなく、上流側はそもそもこれからの予定でした」

――調整が何年もかかったということですか。住民の反対の声があったから?

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「そういうわけではありません。何もしていなかったわけではなくて」

――2010年におこなわれた「二子玉川の環境と安全を考える会」との裁判は関係ない?

「差し止め請求は翌年には棄却されていますので、それで工事が始まり、下流側の工事を終えました。それから上流側の調整をしていたところなんです。平成30(2018)年くらいからワーキングというかたちでやっていますので」

 ここに国土交通省京浜河川事務所が作成したワーキングの資料がある。その中では二子玉川地区における「洪水時の越水氾濫イメージ」が図説されているのだが、今回の氾濫箇所は、まさに資料で「越水」のポイントと指摘されている場所だった。

 資料の日付けは今年6月30日。何らかの対応は可能だったのではないか。

国交省の資料にも「越水」のポイントが記されていたが、ここが今回の氾濫箇所となった
自動販売機も流された ©文藝春秋

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