「文藝春秋」10月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年9月17日)

 慰安婦問題合意の破棄、徴用工賠償判決と日本企業の資産差し押さえ、日本海における自衛隊機へのレーダー照射、日韓軍事情報協定「GSOMIA」の破棄、そして韓国国会議員の竹島上陸……韓国の文在寅政権による反日的な政策は、とどまるところを知らないかのようだ。

 日本を「盗っ人たけだけしい」と公然と罵倒した文大統領には、もはや未来志向の日韓関係を築く意志はないようにも見える。

「北」を向く文在寅大統領 ©AFLO

 そんな文政権に対し、韓国内の知日派エリートが声をあげた。

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「2020年春に行われる韓国国会の総選挙で、文政権を支える与党『共に民主党』『国民党』が勝利すれば、大韓民国という国は地球上から消える」

 対日外交の最前線で活躍してきた韓国政府高官X氏は、そう危機感をあらわにする。

「国家に反逆した罪で極刑に」

 日本と韓国は「対北朝鮮」のために、長年、協力関係を維持してきた。なかでも韓国大統領直属の情報機関「国家情報院(国情院)」は、日本の政府機関とも情報を共有し、密接な交流をしていた。

 ところが文政権は、「日本に対して、北朝鮮に関する一切の情報を提供してはならないとの命令を出している」(X氏)という。

2015年の慰安婦合意は水の泡に ©共同通信社

 親北朝鮮を標榜する文政権が狙うのは、北朝鮮との統一だ。

「文大統領が考えていることは、選挙に勝って、憲法を改正することだ。『1期5年』の大統領任期を『2期10年』に変えようとしている。そして任期延長が実現すれば、北朝鮮との統一連邦国家へと具体的に政策を進めるだろう。連邦国家といえば聞こえがいいが、実質、北朝鮮と同化されてしまう」(X氏)

 そうした文政権の動きを前に、政府内の保守派たちは今、ひそかにある思いを抱いている。