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「そのままの生活を続けてたら死んでいた」齋藤孝が“40代での激太り”から立ち直れた理由

「仕事の線引き」で自分を守る

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 働き方, ライフスタイル, ヘルス, 芸能

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つい働きすぎてしまう人はどうしたらいいのか。明治大学文学部の齋藤孝教授は「40代のときにワーカホリックになった。だが、激太りをしたことに危機感を抱いて、余裕のあるスケジュールを組むように転換した」という。何を工夫したのか――。

※本稿は、齋藤孝『人生は「2周目」からがおもしろい』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/SIphotography ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SIphotography

40代でワーカホリックになった

心の荷台を軽くするという意味で、仕事のしすぎ、無理はよくありません。働き方改革が叫ばれていますが、上からの押し付け的な改革ではなく、働く当の本人の意識自体が変わっていかなければいけません。

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「余裕時間」が必要です。

残業してがむしゃらに働いたからといって、必ずしも良いパフォーマンス、アウトプットができるとは限りません。たとえば文筆家の場合、1日1時間空いたスキマ時間で書けるか、というとそうではない。

5時間空いたとしたら、そのうち何もしていないような時間が4時間あって、初めて1時間分執筆できる。その4時間は無駄なように見えて無駄ではありません。1時間の執筆のために必要な「余裕時間」なのです。

じつは私自身、ワーカホリックで、ものすごく忙しい時期がありました。30代にまったく本を出せない時期があったものですから、40代になって『声に出して読みたい日本語』をきっかけに仕事の依頼が一度に来た時、ほとんどすべて引き受けてしまった。

年間60冊の本を出し、その他に大学の講義、講演会があってテレビ番組に出演していました。おそらく日本で一番忙しかった一人だったと思います。

「ギリギリのスケジュールが一番よくない」

そういう生活をしていると、まず運動ができない。学生時代にテニスをしていて体力に自信はあったのですが、50kg台だった細い身体が、一気に太って70kgを超えました。若い頃から太っている人はまだいいのですが、こういう激太りというのは危険です。