スポーツ動画配信サービスのDAZN(ダゾーン)が、ジャイアンツの2019シーズンに密着したドキュメンタリー・シリーズを制作した。全7回におよぶ長編で、特定の球団を長期にわたって取材したドキュメンタリーの制作は、DAZN初の試みだという。
筆者は「兆し」と題された初回を先行試写会で見る機会を得たが、そこで終始感じたのは、画面から発せられる強いメッセージの存在だった。
まず、やはりと言うべきか、ある種日本古来の「巨人」観が明確にテーマとして据えられている。
登場人物の言葉を借りれば、ジャイアンツは「昭和史の一部」(歴史をたどる場面では「オー・シャンゼリゼ」のBGMが流れていた)。新興の球団にはない、栄光の歴史と由緒と伝統。長きにわたり勝ちを宿命づけられてきた特別な球団。その強烈な自負が、真っ先に伝わってくる。