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有名人を批判するだけで終わってはいけない

 それだけでなく、たとえば大手のがん免疫細胞療法クリニックには、有名大学医学部出身の医師、有名大学病院の元准教授、有名がん専門病院の元部長などが所属しており、そのバックにある細胞培養会社の経営陣には、超有名企業のOBたちが名を連ねています。そうしたこともあるせいか、現役のがん専門医が批判する際も「ここだけの話」といった感じで、大っぴらに批判する医師は、ほんの一部の気骨ある人に限られています。

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 今回の血液クレンジング騒動も、有名人を批判するのはいいのですが、批判しやすいところを叩いているだけのように見えます。もし医師の方々が本気でトンデモ医療を駆逐すべきだと思っているのならば、こうした問題のある医療に関わっている医師たちをどう処遇すべきか、またこうした問題ある医療行為の被害から患者をどう守るのか、これを機会に医学・医療界全体として徹底的に議論すべきではないでしょうか。

「我々は間違っていない」と反論してくるなら……

 たとえば、日本医学会、日本外科学会、日本内科学会といった各学会の上に立つ中心的な組織が、「標準治療を基準とする適正な医療を行う」と誓った医師や医療機関に認証マークを発行し、患者が一目でわかるよう医療機関の玄関やホームページに表示させるような対策が考えられます。

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 そうすれば、標準治療を基準とした適正な医療を行っている医療機関かどうか一般の人でも見分けられますし、有名人も認証マークがついていない医療機関の宣伝に加担するのはマズいと判断できるようになるでしょう。さらに、認証マークの規約に違反した医師・医療機関や認証マークのない医師・医療機関があった場合は学会から厚生労働省に調査を依頼し、医療内容、ネット広告等に違法行為やガイドライン違反があれば摘発・指導してもらうといいのではないでしょうか。

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 もしトンデモ医療だと名指しされた医師・医療機関側が「我々は間違っていない」と反論してくるなら、学会に呼んで徹底的に議論し、臨床試験を実施させるなど、適正な方向に向かうよう指導することもできるはずです。

 医師は日本有数の高偏差値を誇る超エリート集団です。優秀な頭脳と良心を持つ医師の方々なら、きっといい知恵を出してくれて、すぐに実行してくれると信じています。血液クレンジングを叩くことで終わるのではなく、これを機会にぜひ専門職能集団としての自浄作用を発揮していただきたいと願っています。