「ペナントレース」という言葉を聞いて奮い立たない野球ファンはいない。
「初めまして」の方が多いのだろうか。私「DOMI」は大阪のミュージシャンである。ORIX Buffaloesの球団歌「SKY」を歌っているMEGASTOPPERといえばプロ野球ファンの方なら多少ご存じの方もいらっしゃるのかもしれない。はたまた読者は京セラドームや、ほっともっとフィールドで頻繁にお会いする同志が大半なのだろうか。何にせよ音楽畑を長く歩いて来た自分が、2005年のORIX Buffaloes誕生に伴う球団歌「SKY」提供から約12年、気付けばプロ野球球団と密に仕事をするようになった。
その間にORIX Buffaloesのコンピレーションアルバム「SONGSシリーズ」6作をリリースし、京セラドーム場外ステージなども手掛けて来たが、これらのことは大のORIX Buffaloesファンである自分にとって掛け替えのない宝物となっている。
そんなミュージシャンである自分が、この度思わぬ縁から光栄にも当コラムペナントレースのORIX Buffaloes担当とあいなった。「コラム」ペナントレースである。言ってしまえば執筆業デビューである。現代国語の成績はどこかのチームと同じく「万年Bクラス」の音楽家が執筆活動を行う事に疑問を待たれる方も多いと思うが、そこは自分も聞き慣れた言葉「先発でもリリーフでも与えられたポジションを全力で頑張るだけ!」というベタなコメントで乗り切ろうと思う。
もちろん「ペナントレース」という言葉を聞いて奮い立たない野球ファンはいない訳で、ここはひとつ最も「ペナント」から遠ざかったBuffaloesファンを代表して、自分がこの「ペナント」を獲りに行こうとも思っている。果たして本当に「ペナント」が用意されているかは不明ではあるが。
ペナントレースさながら敵を知ってみる
さて、このコラムペナントレースの執筆者を見るにセ・リーグがいわゆる執筆業の方々が多いのに対し、パリーグは実にバラエティに富んでいる。日ハムの「えのきどいちろう」さんは執筆業の方ではあるが、他はアナウンサーにタレント、芸人にミュージシャン、千葉の某球団に関しては球団広報という「文春、本家を出すってどこまでやんねん!」な状態である。ある意味「中川充四郎」さんのような御大と同じ仕事が出来るというのは幸せな事ではあるが、「文春砲」の舞台に立ったことで「秋山砲」「清原砲」「デストラーデ砲」の記憶までが蘇る気がして自分にはあまりありがたい話ではない……ような気がする。
このバラエティに富んだメンバーにどう立ち向かうのか、これがまた考えているとなかなか面白い。「松中みなみ」さんのコラムは読者としてずっと読んでいたい気がするし、「かみじょうたけし」さんの板東英二さんのものまねも大好きだ。
思うに皆、かなり野球に精通しており基本的にオーソドックスな野球コラム合戦を繰り広げるのではなかろうか。また、その中にそれぞれが曲者ぶりを発揮し恐らくレースが激化するほど濃度の濃い「背脂たっぷり濃厚豚骨」のような戦場と化す事であろう。(タレントさんも参加している企画を豚骨呼ばわりもどうかと思うが)
自分も80年代初頭からパリーグを見続けているのでそこそこの野球談義は出来るとは思うが、果たして自分に何が書けるのか。それこそスポーツ紙のコラムのような内容ではここに執筆するに疑問が残る。かと言って野球と無関係の投稿をする程、自分はオメデタ人間ではないつもりである。ここは野球とロックを結びつけた多数の野球ソングを作ってきたノウハウを遺憾なく発揮し「音楽家にしか出来ない野球コラム」を模索しながらミュージシャンらしい試合運びでコラムペナントレースを戦って行こうと考えている。
いよいよコラムペナントレースもオープン戦に
このコラムペナントレース、NPBのレギュラーシーズンに合わせて開幕する為ここからしばらくはオープン戦が実施される。そこで自分もオープン戦で最終調整を試みながら、コラムペナントレースの開幕に照準を絞って行きたいと思う。
何せ今シーズンは我々ORIX Buffaloesファンにとって待ちに待った6年ぶりの本拠地開幕。恥ずかしながらBuffaloesファンにとっての本拠地開幕は、オリンピックやW杯、WBCより開催期間の空いた一大イベントなのである。開幕が近づけば近づく程、Buffaloesファンの熱量がきっと自分のコラムをコラムペナントレースでの勝利に導いてくれるはずだ。他力本願のようではあるが、そう信じてやまないのである。そんな訳で是非、このコラムペナントレースでもBuffaloesを熱く応援して欲しい。