韓国人の芸能人が「またも」自殺した。今度は日本でも絶大な人気を誇るK-POPアイドルで元「KARA」のク・ハラ(享年28)。韓国は長年、自殺率でOECD諸国中(現在36カ国)、断トツのトップで世界トップ10に位置している。国家や文明の盛衰を表すとも言われる自殺率。その詳細をみると、韓国社会の闇が見えてくる。
夜があれば、朝がある。そんな当たり前の日常すら保証されないことを、ク・ハラのダイイング・メッセージは伝えていた。
「おやすみ」
11月23日夜、ベッドに横たわる写真とともにそんな言葉を書き込んだハラは次の日の晩、遺体で見つかった。ファンが「おはよう」の言葉を聞く機会も永遠に失われた。
韓国や日本だけでなく、英BBCや米ニューヨーク・タイムズでも報道されるなど全世界で反響を生んだク・ハラの死。今年5月には元恋人とのリベンジポルノ騒動の渦中で自殺未遂を起こしていたが、日本でソロとして再デビューして日本全国をツアーするなど、新たな道を刻み始めたばかりだった。
韓国人の芸能人をめぐっては今年10月、ハラの友人で別のアイドルグループ「f(x)」元メンバーのソルリ(享年25)が自殺したばかり。6月には女優のチョン・ミソン(享年49)、2017年12月には男性グループ「SHINee」メンバーのジョンヒョン(享年27)が自殺しており、悲報は枚挙に暇がない。
毎日36人が命を絶っている計算に
報道される韓国の芸能人の自殺の大半は20代、30代。その多さは、数字にも表れる。韓国では30歳代の死因は自殺が第1位だ(日本も同様ではある)。
韓国政府が18年に策定した「自殺予防の国家行動計画」によると、人口10万人あたりの死亡数を示す自殺率は、30歳代で24.6人で、第2位の癌などの2倍弱。16年には同じ30歳代だけで1857人が自殺しており、全年代では1万3092人、つまり毎日36人が命を絶っている計算になる。