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中曽根康弘101歳大往生 安倍晋三と似て非なる首相像を知るための“3つのポイント”

各国首脳との記念写真でセンターをゲット

2019/12/03

「中曽根康弘元首相、101歳大往生」を新聞はどう伝えたか。翌日(11月30日)の各紙を読んでみた。

中曽根康弘元首相 ©︎文藝春秋

各国首脳との記念写真でセンターをゲット

 まずこちら。「サミット写真 中央に立てた秘策」(産経)

 この見出しの意味、若い方はよくわからないだろう。説明しよう。

 1983年(昭和58年)にアメリカでおこなわれたサミット(先進国首脳会議)で、中曽根首相は各国首脳が並ぶ記念写真でレーガン米大統領と「中央に収まった」のだ。

1983年5月、先進国首脳会議の写真撮影に臨んだ中曽根康弘氏(右から3人目) ©CNP/時事通信社

 ただそれだけのエピソードなのです。

 しかし、これが「驚きをもって国民に歓迎された」のである。

 日本の首相はそれまで端っこに写るのが常だったから、記念写真でセンターに立てただけで大騒ぎ。日本もここまで来たかとオヤジジャーナルが興奮していたのを少年だった私は覚えている。

 後年、中曽根氏が語った秘策が書かれていた。

「私はサミット前から首脳の記念撮影で中央に写ることを狙っていたんです。そうすることで日本の国際的地位が上がったことをアピールできるからね。そのためにはどうすればいいかをずっと考えていた。思いついたのがレーガンと話し続けながら撮影会場に入ればいいということだった。(略)『そのネクタイはいいね』と話しかけたんだ」(産経ニュース11月29日)

 まんまとこの作戦でセンターをゲット。この逸話からも中曽根氏のしたたかさがわかるだろう。「風見鶏」という異名の意味も。