2012年12月末の第2次安倍政権発足以来、副総理兼財務相を務めてきた麻生太郎氏(79)。今回、麻生氏が「文藝春秋」1月号の単独インタビューに応じ、安倍晋三首相の総裁4選に言及するとともに、「ポスト安倍」について3人の政治家の名前を挙げた。

「憲法改正をやるなら、総裁4選を辞さない覚悟が求められる」

「文藝春秋」12月号のインタビューで、「総裁4選はあり得ない」と明言した安倍首相。だが、麻生氏は「憲法改正は自民党の党是」とした上で、以下のように語った。

「衆院選、参院選と国政選挙に6連勝した安倍政権が憲法改正をやらなかったら、いつやるのか。もっとも、残り2年を切った総裁任期で、憲法改正案を発議し、国民投票に持ち込むのは政治日程上、非常に厳しい。安倍総理が本気で憲法改正をやるなら、もう1期、つまり総裁4選を辞さない覚悟が求められるでしょうね」

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©文藝春秋

 一方で、「ポスト安倍」を巡るレースが本格化しているのも事実だ。麻生氏はインタビューで「ポスト安倍」の条件を次のように明かしている。

「大前提として、『党を出たり入ったりしていない』こと。自民党も良い時ばかりではないのだから、そういう時は耐えなくちゃならないのに、みっともないのがいるじゃない。すぐ良い方へ行きたがる人。この人たちは、全く筋が通っていないと思います。私の眼中にはありませんな」

 細川政権が発足した1993年に自民党を離党した石破茂元幹事長らは、ポスト安倍に相応しくないと暗に指摘した形だ。

菅官房長官からは「オーラは特に感じません」

 改元以降、存在感が高まる“令和おじさん”こと菅義偉官房長官については、

「総理の座を狙おうという官房長官には、1998年の総裁選に出馬した梶山静六さんのように全能感が出てくるもの。だけど菅さんには今、安倍さんの代わりになろうとするオーラは特に感じませんけどね」

菅義偉官房長官 ©文藝春秋

 それに対し、麻生氏が「有力候補」と名前を挙げたのが、総裁選への出馬を明言している岸田文雄政調会長である。岸田氏と言えば、安倍首相も後継者の“本命”と見ている一人。麻生派と岸田派が合流する「大宏池会」構想も以前から取り沙汰されてきた。