11月20日に憲政史上最長の在任期間に達した安倍晋三首相。森友加計問題など政権を揺るがす疑惑を抱え、ここに来て桜を見る会を巡る問題も浮上しながら、最長政権を実現した秘訣は何なのか。安倍首相が今回、「文藝春秋」12月号の単独インタビューに応じた。
聞き手を務めた政治ジャーナリスト・田崎史郎氏が明かす。
「長期政権が続いている要因は幾つかありますが、その一つが人事です。閣内では、麻生太郎副総理、菅義偉官房長官という骨格は政権発足以来、変わっていません。一方で、官邸の官僚を見れば、今井尚哉首相秘書官や北村滋国家安全保障局長を巡る人事が注目を集めています。この人事について、首相に質問をぶつけてみました」
「彼らは決してイエスマンではありません」
安倍首相は今年9月、今井尚哉首相秘書官を首相補佐官兼務とし、内閣情報官だった北村滋氏を国家安全保障局長に任命した。今井氏は首相の右腕と言われる最側近官僚で、今回、補佐官兼務となったことで、より大きな権限を握ることとなった。一方、警察庁出身の北村氏が就任したのは、“外務省枠”と見られていた国家安全保障局長のポストだ。一体、首相にはどういう狙いがあったのか。
安倍 私自身は第一次政権の失敗を含め、当時の経験を今回生かしているわけですが、今井補佐官も北村局長も第一次政権では総理秘書官でした。2人ともそもそも優秀な官僚ですが、ちょっとしたミスが政権の根幹を揺るがしかねないという経験も共有しています。長谷川榮一補佐官もそうですが、仕事をしていく上においては、何をどうやるべきか、共通認識を持つことが非常に重要だと思うんです。ただ、彼らは決してイエスマンではありません。みんな私にも、言いたいことはしっかりと言います。それは、かえって気心が知れているから、言いたいことが言えるというのもあるんですよ。