籠池諄子 塚本幼稚園副園長
「ほんまにおニャンコちゃんですよ。自分が答弁に立ってやれなかったら、安倍首相が代弁したりですね。そんなんで防衛できひんやありませんか、ちがいません?」
東洋経済オンライン 3月16日
稲田防衛相を舌鋒鋭く批判しているのは、誰あろう籠池氏の夫人、籠池諄子氏。これは3月14日に行われた塚本幼稚園の修了式での発言だ。「稲田朋美さんがですね、国会で『籠池さんのことは知らん』と言ったのは、ちょっと頭にきたんですね。だって国会議員が国会でウソをついて、防衛大臣どうやって国を守れるんですか」(東洋経済オンライン 3月17日)。どうやら籠池夫妻と稲田夫妻の間には、さまざまな因縁があるらしい。それにしても一国の防衛大臣を「おニャンコちゃん」呼ばわりとは、すごいセンスだ。
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菅野完 著述家
「恐らく籠池さんが持ってはるもんが全部出てきたら、内閣が二つ分ぐらい飛ぶと思うんです。安倍晋三みたいなん、どうでもええって話になると思う」
FNNニュース 3月15日
森友劇場第二幕を切って落としたのは間違いなくこの人。ベストセラー『日本会議の研究』(扶桑社新書)の著者、菅野完氏だ。籠池氏へのコンタクトに成功した菅野氏は、次々と新証言を引き出している。これは15日には自宅マンション前で報道陣の質問に答えたときの言葉。今回の寄付に関する発言は、まだまだ序の口ということだろうか?
また、菅野氏は報道陣の前で「森友問題の発端を作ったのは、この男 当時の財務省理財局長 迫田英典 私学審議会を曲げたのはこの男 大阪府知事 松井一郎 この男たちこそが悪い奴らです」(FNNニュース 3月15日)と書かれた写真入りの紙を掲げてみせた。
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松井一郎 大阪府知事
「理事長と一度でも2人で会って、ご飯食べたなどの事実があれば、もう辞めます」
産経新聞 3月16日
菅野氏から名指しされた松井府知事は弁明に追われることに。この発言は安倍首相そっくりだが、「3人ならセーフ」とかではないですよね? ジャーナリストの安積明子氏は「一般的に森友問題は『昭恵夫人案件』と見なされているが、大阪ではもっぱら『維新案件』と見なされている」と指摘する(東洋経済オンライン 3月16日)。森友問題には松井府知事が代表を務める大阪維新の会が深くかかわっているというのだ。
松井府知事は14日、大阪府の私学審議会が森友学園の小学校について認可答申をまとめていたのは、国有地の売却を早く進めたい国の要請があったからだと明かしている。前大阪市市長の橋下徹氏も同じ日に自身が出演するテレビ番組で似たような発言を行った。
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橋下徹 前大阪市長
「大阪府の言い分はですね、『国から相当圧力を受けた』と。近畿財務局のほうから、もうこれはなんとか条件付きでもいいから認可を出してくれ、出してくれと」
『橋下×羽鳥の番組』 3月13日
松井府知事と橋下氏の発言から読み取れるのは、国(近畿財務局)からの強い要請があって大阪府が認可を出したということだ。一方、菅野氏は松井府知事をはっきりと「悪い奴」と名指ししている。いくら国から要請があったからといって、最終的に認可を行うのは大阪府知事だからだ。東でも西でも国民の与り知らぬところで魑魅魍魎がうごめいているということか?
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安倍昭恵 首相夫人
「私ができることの一つは、権力というか力の強い所にいないような人がつながっていくこと。女性や子ども、若者、障害者、幼児、LGBT(性的少数者)、少数民族が手を取り合うこと」
カナロコ by 神奈川新聞 3月17日
最後は元“名誉校長”安倍昭恵首相夫人の言葉から。森友学園への寄付に関してはきっぱりと否定……ではなく、「寄付金を渡したなら覚えているはずだ。全く覚えていない」(日本テレビ系NNN 3月17日)。これなら「記憶違いは虚偽の答弁ではない」という稲田論法を使うことができる。
寄付に関する籠池氏の証言は具体的だ。「平成27年(2015年)の9月に安倍昭恵夫人が私どものところに講演会に来られた時、どうぞ、これお使いくださいと。どなたからですかと(聞くと)、安倍晋三からです、とおっしゃった」(朝日新聞 3月17日)。ここまではっきりしているのだから、事実関係もすぐに明らかになると思うのだが。
そんな昭恵夫人は16日に横浜市での講演会に登場し、冒頭の言葉を語った。多様性を認めることやマイノリティの力になることはまったく素晴らしいと思うのだが、昭恵夫人の頭の中では森友学園に入れ込むこととまったく矛盾なくつながっているのが本当に不思議。
同講演では次のようなことも言っている。「今私ができることは何か、日々そんな思いでいる。日本はもっと素晴らしい国になれるはず」(カナロコ by 神奈川新聞 3月17日)。今、昭恵夫人にできることは、やっぱり諸問題の真相究明ではないでしょうか?
(一部敬称略)