中国スマートフォンメーカー大手の小米科技(シャオミ)は12月9日、東京で記者会見を開き、日本市場参入を発表した。日本のR&Dセンターで開発した初の機種だという、スマートフォン「Mi Note10」「Mi Note10 Pro」の投入を明らかにした。世界初となる1億800万画素の高性能イメージセンサーなど5つのレンズを持つ5眼カメラだ。販売価格は「Mi Note 10」が5万2800円、「Mi Note10 Pro」が6万4800円。
この他にも世界でもっとも売れているウェアラブルバンドの最新機種「Miスマートバンド4日本版」(3490円)、モバイルバッテリー「パワーバンク3」(1899円)、IoT炊飯器「Mi IH」(9999円)、さらにはスーツケース(7990円)、キャリーケース(1万7900円)まで一挙に投入する。いずれの製品も性能から考えるとかなりのお買い得価格。発表会では価格が発表されるたびに報道陣から感嘆の声が上がっていた。
なぜ「個人輸入」してまでシャオミが欲しくなるのか?
シャオミの日本上陸は発表会前から話題となっていた。
「日本参入!やったぁ!」「買います!」「楽しみ」「嬉しい」……。
予定していたよりも早く日本の皆様にお会いできることとなり、 大変嬉しく思っています。12月9日のXiaomi日本参入をお楽しみに!! pic.twitter.com/sJGDdEELbt
— Xiaomi Japan (@XiaomiJapan) 2019年12月2日
シャオミが2日、ツイッターで日本参入発表会の日程を公開したところ、大きな反響を呼んだ。ざっと見た限り、ネットでの反響は好意的なものが大多数だ。
日本未上陸のブランドがなぜこれほど歓迎されるのか。実は海外での購入や個人輸入などによって日本参入前から一定数のユーザーがシャオミ製品を購入しており、若い世代の間ではそれなりの認知を得ていたのだ。検索してみると「シャオミ製品を買ってみた」と報告するブログやSNSの書き込みは相当数にのぼる。
シャオミは2010年の創業した新興メーカー。2011年に初のスマートフォンを発売すると、たちまち若者を中心に圧倒的な支持を受けた。その理由は「圧倒的なコストパフォーマンスの高さ」と「カジュアルなデザイン」にある。
ソニーの半値?「スマホでは稼がない」
まずコストパフォーマンスだが、シャオミの創業者である雷軍(レイ・ジュン)はハードウェアの利益率は5%以下にするとの方針を示している。つまり、スマホでは稼がないのだ。シャオミのアプリストアからゲームに課金する、有料動画サービスを契約する、広告を見るといった付加価値サービスで稼ぐ狙いがある。iPhoneを擁するアップルもAppStoreや音楽ダウンロードなどサービスを収入源としているが、ハードウェアにもがっつり利益を乗せている。アップルの戦略をよりアグレッシブにしたのがシャオミというわけだ。