1ページ目から読む
3/3ページ目

 韓国のタレントはどんなに有名人でもネットメディアを脅威に感じているという。現在兵役中の俳優、チャン・グンソクもその一人だ。

「現役入隊といって、健康な成年男性は通常なら陸軍に行くんですが、チャン・グンソクは躁うつ病と診断されて兵役判定の検査に落ちて、国の機関などに勤務する『社会服務要員(公益要員)』として服務している。平日は自宅から勤務しているし週末は休み。ですから、兵役が終わる来年5月に向けて、これまでなら兵役中でも休日にレコーディングを始めたり、復帰後にすぐに活動を再開できるように準備を始める人が多かった。でも、チャン・グンソクは、ネットメディアに休日の芸能活動準備がバレると叩かれてしまうので、一切の芸能活動を控えている」(前出・韓国の芸能ジャーナリスト)

チャン・グンソク ©文藝春秋

侮辱罪で訴えられても数万円の罰金

 朴氏は、ネットメディアに翻弄される韓国の社会について、次のように分析する。

ADVERTISEMENT

「韓国では、侮辱罪で訴えられても数万円の罰金だけ。量刑が軽く、ネットメディアによる無責任な記事配信の歯止めにはなっていません。

 韓国の昨年の自殺率は、OECD加盟国の平均が11.5人なのに対し、26.6人で2倍以上。OECD加盟国の中で1位となっています。この結果は、有名芸能人の自殺によって、連鎖的に自殺が増えてしまう『ウェルテル効果(Werther effect)』があるのかもしれない。また韓国人は、プライドの高い国民性を持つと言われています。これが中傷に耐えられず自殺の道を選んでしまう一因とも言われている。いずれにせよ、すでに社会問題になっているにもかかわらず、政府としての効果的な対策を講じられていないことが大きな問題だと思います」

 世界中にファン層を広げる韓流スターたち。母国でのびのびと活動できる日は来るのだろうか。